昨年の東京五輪代表レースを劇的な結末で終え、シングルスの代表権を得た石川佳純は、来年の東京五輪開催が決まらない中、どういう心境でいるのだろう。「オリンピックはあってほしいけど、それは私が決めることではない。でも、あるという前提で全力で準備をするし、そこに向けてモチベーションを保つことはできます」(卓球王国最新号)。

 不確実な東京五輪、想定する相手を卓球台の向こうに見つけられない日々。しかし、石川佳純の生き方はブレることがない。彼女にとって東京五輪は言葉にできないほど大事な大会ではあるが、五輪が彼女の選手生活の終点ではないからだ。
「いろいろやっても続かなくて、努力ができない人間なんだと小さい頃は思っていました。でも卓球に出合って、夢中になるものとして、のめり込むことを覚えたんです。頑張ったと言うより、楽しいから夢中になっていた。卓球が私にとっては巡り合えた一番のスポーツだった」
 夢中になれる、彼女の中での一番のもの。それが石川佳純にとっての卓球だった。

卓球王国 今野