薬剤師の仕事は尊くて、かっこよくて、無くてはならない仕事なんだ。たとえAI化が進んだとしても、患者さんと向き合ったり、
寄り添ったり…薬剤師の仕事はかけがえのないものなんだ、ということが伝わったらいいな、と思っています。ドラマだから…と
いう部分はもちろんありますが、視聴者の方がご覧になって「薬剤師ってかっこいい!」と思ってもらえるような、希望があふれる
作品にしたいです。

石原さんはこれまで、医師(「アンナチュラル」TBS系)や看護師(「Ns’あおい」フジテレビ系)などの医療従事者役を経験されて
いますが、薬剤師を演じてみていかがですか?

演技という疑似体験しかできないですけれど、薬剤師役はやっぱり薬の名前が…!ものすごく出てくるんです!これは噛むな…と
思ってすごく練習したのに、本番撮影では別の薬剤に変わっていて「ウッ…」と思ったり(笑)。商品名と薬剤名の区別もそうです
し、薬の効能とか副作用、投与量なども教えていただきながら演じています。この作品が終わるまでに薬に詳しくなりそうです。

あとは、患者さんを治すため、というのはもちろんそうなんですけれど、薬剤師は患者さんが退院した後も、薬を通じて関わって
いるように思うんです。だからこそ、退院後の生活が、ちゃんと豊かになるとか、当たり前の生活を送れるとか、その先を見据え
るとか…「退院するまでがゴールではない」というのが、薬剤師を演じるうえですごく大切な部分だと思っています。
いま息をしていること、歩けること、会話ができること、ちゃんと空腹になって、食べられること、気持ち悪くならないこと…

こういう何気ないことの全部が、薬がちゃんと効いていて、副作用なく過ごせるからこそですよね。ドラマを通じて、当たり前の
大切さに改めて気付くことができたし、これまで知らないことが多すぎたな…って。私の知らない、“感謝できる人たち”がまだまだ
たくさんいるんだな、と薬剤師・葵みどりを演じて強く感じました。