>>158 からの続き
失敗も糧に、薬剤師成長のカギは?

ドラマの葵みどりは、ある程度経験を積んだ中堅の薬剤師として描かれていますが、漫画の葵みどりは26歳。また後輩も登場し「新人薬剤師の成長」もひとつの見どころかと思います。富野さんは、新人薬剤師が心がけておくといい仕事・医療者としての心構えについてどうお考えですか?

富野
 実際に患者の立場になるのは難しいですが、どの方も「自分の患者だ」と思って、当事者意識をもって接するといいです。4巻ではくるみちゃん※が一皮むけるストーリーがあります。これは荒井さんすごい!と思わずうなりました。参考になると思います。
 患者さんから「名前で呼んでもらえるってうれしい」というシーンがあるのですが、これには私も共感しました。認めてもらえた、という感じがするんですよね。
  ※相原くるみ:主人公の葵みどりとともに働く新人薬剤師

 新人のうちは、いろいろ失敗すると思います。それをどうリカバリーするか。反対に、周りが失敗したときにどうフォローするのか、そんなことを考えられるようになれればよいのではないでしょうか。
 薬剤師は他の医療職と違って、サラリーマン的な「一ヵ所に勤め上げるのが偉い」というような精神が残っている部分もあるのではないでしょうか。けれど、若いうちはいろんな施設を見るのもいいと思います。極端な話をすれば、薬剤師以外の、他職種を経験してみるのもいいと思います。たとえば医師でも、他職種を経験した人とそうでない人では人当たりや深みが違いますよね。

富野さんもこうした病院の外での活動をしていらっしゃいます。たしかに、一か所、ひとつの職種にこだわるのではなく、いろいろ可能性を広げられると面白いですね。
最後になりましたが、たくさんのm3.com読者がこれからの展開に期待しています。ぜひメッセージをお願いします。

荒井
 薬剤師の方がご覧になると、いろいろとつっこみたい部分もあると思いますが、忙しいお仕事の気分転換に、漫画を楽しんでいただけたらうれしいです。漫画を通じて、陰ながら応援しています!