≪続き≫
■ どこか影を感じさせる好青年

林が演じるのは、桃子と同じホームセンターの配送部で働く31歳の吉岡真人(まなと)。フォークリフトの腕が良く、夜勤の仕事も真面目にこなしている。

普段はホームファッション売り場で働く桃子との接点がないが、店舗内の各部署から選出されるクリスマスプロジェクトのメンバーとなったことがきっかけで桃子と出会う。

性格はまるで違うが、どこか価値観が似ている相手に次第に心ひかれ合う二人だったが、真人には自分の心を縛るある秘密があった。

脚本家の岡田惠和が林をイメージして“当て書き”したという真人は、仕事に対して実直で、いつも低姿勢でほほ笑みを絶やさない好青年だが、過去のある出来事によって心に傷を抱えているという役どころ。

幸せに対して前向きで、太陽のように明るい桃子に対して、どこか自分が幸せになることを諦めているかのような影を感じさせる真人。

そんな二人の初々しい恋模様が、岡田の真骨頂である、繊細な心の機微を表現したリアリティーのある会話劇を通して描かれていく。また、桃子と真人の恋模様と並行し、二人を取り巻く家族、同僚、友人らの物語も丁寧に描かれる。

爽やかな大人のラブコメ、悩み多きOLと年下男性のピュアな恋、切なくてほろ苦い片思いなど、個性豊かな登場人物それぞれが“主人公”として描かれるサイドストーリーの数々が、互いに影響し合いながら展開していく。

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