>>949
 フジは昨年から、ドラマの1~3話を無料で配信している。

 リアルタイム視聴だけではない時代なので、序盤で物語にハマってもらおうという作戦だ。

 実際に「TVerを週1回見る女性10~40代」層では、序盤で視聴率が急落したが、直近は約4倍の10・2%まで上昇した。

 途中脱落者も後半でハマり直したようだ。「1~3話無料配信」と「物語の巻き返し」が効いているのだろう。

 「FOD未加入の未婚女性20~40代」のデータも注目に値する。直近2話で急伸し、最低時より1・8倍に膨れ上がった。

 実はFODの有料契約も順調に伸びている。

 無料だった1~3話以降も見たいと思った視聴者が加入していると想像される。

 今世紀初頭、当時のフジテレビ社長は「瞬間的な視聴率でなく、グループ全体の長期的利益を最大化する番組を作れ」と檄を飛ばしたという。

 時間をかけてネット上で刺さるドラマを送り出すフジは、20年を経て新たなビジネスモデルを確立し始めている。

 視聴率という〝瞬間風速〟ではなく、ネットでじっくり見られる〝深く浸透〟の時代の幕開けかも知れない。