「だめ」
太腿に伸ばした私の手を、助手席に座るゆづぽが押し退けた。
「まだ明るいよ。だめ」
もう一度手を伸ばす。
「だめったら」
三度目は少し力を強めてスカートの中にまで手を入れる。抵抗は弱かった。
「おうちまで待ってよ」
「濡れてるじゃないか」
「濡れてないよ!なんでわかるの!?」
「・・・匂い、だな。」
「…もう」
私はショッピングモールの地下駐車場に車を入れ、エンジンを止めた。シートベルトを外すと、ゆづぽが肩にしなだれかかってきた。
「どうした?おい」
「…いじわる。…もう2週間近く、えっちしてないじゃん」
令和に入ってから、ゆづぽはまだ私に抱かれていなかった。
「忙しくしていたな、お互い」
シートを倒し、横になる。
私は岐阜のコンサートと青木詩織生誕祭の2日間以外は仕事だった。
「だから!嬉しかったんだよ。迎えに来てくれるって言ってくれて」
ゆづぽも私に馬乗りになっていた。
股間がゆづぽを感じる。ゆづぽも同じだったようで、ゆづぽ自身で私を感じていた。

「固い。すっごく固いよ、おじさん。」
ゆづぽ自身がゆっくりと擦りつけられる。
「…まだ、固くなる。やっぱり、おうち行こ!」
「・・・ここまで気を持たせておいてか?」
「だって!私、1年前よりずっと大きくなってるんだよ?車の中は狭いよ!それに…」
「・・・それに?」
「こんなに固いおじさん初めてだもん。どんな声が出ちゃうかわかんないもん!」
「わかったよ。帰ろう」
ゆづぽを持ち上げ、助手席に座らせる。大きくなったとはいえ、まだ子供は子供だ。
体を起こし、ハンドルを握る。
「飛ばすか。ちゃんとシートベルトをしていろよ?」
ゆづぽの匂いが強くなる車内で、ゆづぽもまた、私を握っていた。