タオル振り
〜置賜地域〜

ここ置賜地域はな、昔から冬になると寒くて雪が積もることも珍しくなかったそうじゃ。
この地域に住む子供たちはとても元気でな、冬になっても、外で思いっきり遊ぶような子供たちだったんだと…。
 子供「雪だるま作ろう!」
 子供「ソリー乗ろうよ!ソリー」
 ママ「宿題を終しなさい!」
そんな、子供たちの元気な声が響いてくる賑やかな地域だったんじゃ。

ある年の冬、この年はいつになく寒い冬でな、それはそれは雪もたくさん積もり、空気はピーンと氷が張りつめたような冷たさだった…。
そんな寒い晩に、ひとりの女の子が突然、濡れタオルを持って家の外に飛び出したんじゃ!
女の子はタオルをグルグルグルグルと、それはもう肩も外れんばかりと振り回し、ついにはタオルを凍らせてしまったんじゃ!

そしてな、そのタオルを写真に撮って嬉しそうに見せて回ったんだと。そうしたら、その女の子は皆の人気者になってなあ…
それ以来、この地域では冬になるとタオルを振り回す女の子が現れるようになったんだと。

これが、タオル振りとして今でも伝わっているお話じゃ。