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○記者
脱退に賛成する議員は多いが、外務省や首相官邸との調整は。

○江島潔
現在、協議中だ。

○記者
脱退後、IWC以外の国際管理機関を立ち上げるという手は。

○江島潔
選択肢の一つとして考えている。

○記者
脱退後のIWCとの付き合い方は。

○江島潔  
IWCでは議決権を失う。
だが(非参加国のIWC会合への)オブザーバー参加は実例がある。
今後も、科学委に自発的にデータ提供するなど、国際組織への協力していく形になるだろう。

○記者
IWCを抜け南極海捕鯨ができなくなる場合の鯨肉供給は。

○江島潔  
輸入鯨肉という選択肢もある。
(目先の)鯨肉を確保しようとバタバタするよりも、まずは資源管理しながら商業捕鯨を具現化し、捕鯨復権の機運を高めること。
IWCの再加入や南極海捕鯨の再開を目指すのは、その次のステップだろう。

○記者
IWC脱退以外の課題と、政治サイドからできる後押しとは。

○江島潔  
これまでも、日本は科学的に持続可能な捕鯨をしようと訴え、味方国を増やそうとしてきた。
ノルウェーやアイスランドのような捕鯨国以外にも、生物資源を持続的に利用しようと賛同してくれる国は現れている。
こうして、理解者を増やしていくことが重要。
理解者を増やすに当たり、政治が後押しできるはずだ。

世界には70億人の人がいて、多くの人種や宗教があり、価値観も多様だ。
特定の人が「この生物は食べるべからず」という価値観を他の人に押し付けていたら収拾がつかなくなる。
共通言語になり得るのは価値観でなく、客観的な科学だ。
科学的に資源管理し、持続的な利用を示していくのが大切。
その象徴となる事例が鯨なのだと思う。