時計用オイルは「MOEBIUS」が業界のスタンダードと目され広く使われている。

MOEBIUS 9010 グリコール油(保湿油)に界面活性剤、酸化防止剤、防錆剤、着色料を添加したもの。
古くから使われてきた動物油脂の代替を目指して作られた。酸化蒸発する欠点も受け継いでいる。
これを改善したらオーバーホールの需要が減り時計職人の失業が増える。

シチズンが開発した「AOオイル」はOH期間がかなり延びているようだるようだ。

新素材では「フッ素油」というものがある。これは「真空や宇宙で使える高性能オイルで、常温では半永久的に
変質や蒸発しない。」表面張力が比較的大きく広がりにくいため拡散防止処理も必要ない。一度フッ素油を注油
すれば蒸発も拡散も変質もせず、そこでずっと潤滑を維持し続けるに違いない。
油切れしないので摩耗も心配ない。
これを使えば3〜5年といわれていたOH周期が大幅に伸びる。例えば20年以上持つかもしれない。

フッ素油が時計に使われた例はまだない。機械式時計は3〜5年ごとにOHが必要で、消費者もそれが
当たり前として受け入れてきた。フッ素油はそんな業界の常識を打ち破れるかもしれない。