だが生まれたトンモーには障害があった

幼児期にはさして問題にならなかったそれ
家庭内では「想像力がある」とされ、両親はトンモーを宝物のように大切に育てた

しかしそれは幼稚園に上がる頃、トンモーと両親は気づき始める

「自分には9回線使う敵がいる」

など妄想を垂れ流すようになったのである

集団生活に馴染めない息子、孤立する家庭

そして次第に病んでいく母親