田中角栄こそ日本における社会主義革命に成功した唯一の人物としてみる論こそ、今までになかった田中角栄論である。
なぜ、アメリカの共和党政権が田中角栄を失脚させたのかは、もっぱら独自のエネルギー戦略を展開したから
ロックフェラーの逆鱗に触れたという説が有力ですが、むしろ田中角栄が日本で社会主義革命を成功させたからだと言うほうが、説得力があると思う。

田中角栄が日中国交回復に成功したのも、彼の社会主義的な政策が、中国共産党の首脳達に共感を呼んだのだということも筋が通る。
ソ連のブレジネフ書記長との話し合いでも北方領土問題で前進が見られたのも、田中政権が一種の社会主義政権とみなしていたからだろうか。
彼が作った様々な弱者保護政策である大店法や農業保護政策も、グローバル化する世界とは逆の保護政策だ。

自民党内にこのような大派閥を形成できたのも、日本の農家などからの支持を集めたからであり、それが大都市を包囲して
一気に革命へ持ってゆく手法は毛沢東の革命戦術であり、だからこそ中国やソ連も日本こそ社会主義国家の仲間としてみる要素になったのだろう。
それに対して危機感を持ったからアメリカのキッシンジャーは角栄を失脚させたのだ。