日本の労働力のコストが高いのは基本的に土地価格のせいである。
住宅ローンの過重な負担があるからだ。日本の物価が高いのは、土地賃料のチャージだけでなく、
土地価格の高負担を抱えた労働賃金のせいであり、そして不当に高額な公共料金と法外な税金のせいである。
日本の高コスト体質は土地問題そのものなのだ。
コストが高いのは土地のせいである。
土地に対して労働者が無理に負担させられる部分(不等価交換)があり、それが一部は
保有資産の含み価値に化けて企業経営を潤し(それはまだ資本主義の枠内の話で労働者にも還元がある)、
一部は土地を転売する不労所得者の手に入って浪費され、それが構造化されて資本が循環し、
日本の経営と行政の不問不動の前提条件となっているから、
日本の労賃は高く、物価は高く、高コスト体質は已まないのである。
一般国民である日本の労働者は資本家によって搾取されてきたのではなく、
土地を保有転売するブローカーによって収奪されてきたのだ。
土地問題さえなければ、日本の物価は安く、労賃も安く、日本の国際競争力もこれほど弱くなることはなかった。