中世ヨーロッパではゲルマン人の侵入と度重なる戦乱によって、小麦畑をはじめとする
農地は著しく荒廃してしまった。
紀元1000年を越えたあたりから農業は復活するが、身分制社会である中世では、
初めの数百年は、富裕階層が小麦のパンを食べたものの、下層はせいぜい、
スペルト小麦、大麦、ライ麦、粟、稗、黍などの雑穀を、パンかごった煮スープにして
食べるかといったところだった。