インドのギリシャ人の王、メナンドロスと仏教僧ナーガセーナの問答を記した『ミリンダ王の問い』。
『那先比丘経』の名で漢訳されていますが、源信の『往生要集』にも引用されています。
ミリンダの名は弥蘭王となっている。

『源氏物語』にも影響したとする説が正しければ、紫式部もこのギリシャ人の名は知っていた筈。
少なくとも、彼女と同時代人の赤染衛門とされる『栄花物語』の作者は読んでいました。
足柄山の故事で知られる源義光も『往生要集』の愛読者であったという。
永観堂の名前の由来になった永観も引用しています。
京都の紅葉の名所を訪問してギリシャ・インドに思いを馳せるのもいいかもしれません。

引用された問答は、悪業があっても善行により地獄に堕ちないというもの。
念仏により悪業の人も往生しうるという論拠に引用されました。