>>212
少なくとも、公家・武家で公式に口に入れたりはしなかったようです。

>>213
シルフィウムでしょう。リビア原産の香草で、現地での乱獲と家畜の放牧が原因で絶滅。
最後の一株は、ネロ帝が宴に使用したとか。
紀元前1世紀まではイタリア半島にも生息していたライオンが、ギリシャの一部だけに限定さ
れるようになり、ほどなく滅んだ時代の話です。北アフリカのゾウも2世紀には絶滅。
アフリカ大陸唯一のアトラスヒグマも19世紀には絶滅し、バーバリライオンも再発見はされた
ものの野生絶滅と、寂しい限りですね。
日本では3500年前にオオヤマネコが絶滅して以来、近代までは大型の脊椎動物の絶滅はな
かったとされています(狩猟伝承研究で知られる千葉徳爾氏による)。

>>214
伊勢海老や鮑は美味しくはありますが、見た目の華やかさも間違いなく宴向きですからね。
それと、私は近世にはタンチョウも食されていたと思っていたのですが、小野蘭山の『本草綱目
啓蒙』を弟子が補訂した版に「味ハ下品ナリ、凡食用トスル鶴肉ハマナヅルナリ」とありました。
資料が正しいとは限らないのですが、タンチョウは食用になっていなかった可能性もあります。
マナヅルは江戸期の飼鳥書の鶴の項目には「鶴の中ではありふれた種であり、飼い方の雑な
人が多い」と書かれているものがある鶴。
蘭山より一世紀前の『和漢三才図絵』にはタンチョウ、マナヅル、黒鶴(ナベヅル?)、白鶴(ア
ネハヅル?)の四種が記載され、味についてはおおむね良いとされていますが、タンチョウの
み肉が硬く味はよくないと書かれているので、この時代までには食べられても敬遠されていた
ものか。一番利用法について詳しいのは、やはりマナヅルです。


>>215
事実、漢籍に典拠があるようです。