黒人保守派のソーウェルがアファーマティブ・アクションを否定する理由
http://diamond.jp/articles/-/179676

黒人保守派は典型的なエリートが多い

 マーティン・ルーサー・キングは「私には夢がある(I Have a Dream)」の有名な演説のなかで、
「肌の色でなく人格の中身によって」認められる社会を目指そうと訴えた。
これが「カラー・ブラインド主義」で、当たり前のことだと思うかもしれないが、
その後、アメリカ社会に大きな混乱をもたらすことになる。
なぜならアファーマティブ・アクションでは、公的機関の雇用や公共事業の入札、
大学への入学枠などで、「肌の色」による優遇(差別是正)が行なわれているからだ。

 これに対して「逆差別」される側の白人やアジア系から不満が出るのは当然だが、
じつは黒人のなかにも「アファーマティブ・アクションを廃止すべきだ」と主張する一派がいる。
彼らは「黒人保守派」と呼ばれ、アメリカ政治のなかでは特異な地位を占めているが、
その根拠はキングの「私には夢がある」の一節だ。
「肌の色でなく人格の中身によって」国民を平等に評価するのなら、
大学への入学も人種に関係なく(カラー・ブラインドで)、得点のみで決めるべきだ、となるほかないからだ。