「役に立たない学問」を学んでしまった人文系“ワープア博士”を救うには……?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190415-00011484-bunshun-soci&;p=2

 とはいえ、(広い意味では過去の私も含めた)わが国における人文系の大学院出身者の就職難や
生活の困窮という問題は非常に深刻だ。非常勤講師の職業は5年勤務すると自動的に「雇い止め」に
遭うことが多く、助教などのポストに就くことができても、その多くは任期制である。

 昨年9月に九州大学で、同大学院研究科の博士課程単位取得退学者の男性が非常勤講師の
雇い止めに遭った末に経済的に困窮し、研究室に放火して死亡した事件も記憶に新しい(こちらは法学の分野だが)。

 加えて言えば、不器用なタイプの人はいっそう追い詰められやすい。知識は豊富だが
アウトプットが下手だったり、「コミュ障」だったり外見の清潔感がなかったりと、
一昔前ならある程度までは笑って許されていた変わり者の知識人タイプの人が、いよいよもって「詰む」ようになっている。

 所属先がなくなってしまうと学会に出席するときの肩書を書けず、また大学図書館の利用も難しくなるので、
過去に在学した大学院に「研究生」という名目で籍だけ置かせてもらうような人も少なくない。

(余談ながら、筆者が過去に在籍した研究室のHPを修了から10年後くらいにのぞいてみたところ、
10年前に博士課程や研究生だった先輩数人がまだ研究生のままで籍を置いており、
ゾッとする気持ちを味わったことがある。これは自分自身の未来だったかもしれないからだ)。