旧統一教会・戦後保守・岸信介…安倍元総理銃撃事件犯人の世界観とは?(古谷経衡)
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20220712-00305301
 さて1968年に国際勝共連合が設立された当時、日本の政権は自,民党の佐藤栄作内閣であった。この年、日本のGNPは西ドイツを抜いて世界第二位になり、堂々「経済大国」の地位を確立させた。岸は反共親米色が強く、岸の次は宏池会の始祖・池田勇人になり容共色があった。その次の佐藤内閣も、岸とは派閥の違う佐藤派(当時)の領袖で、容共色があり、基本的にはこの佐藤内閣下で共産国・中国との国交回復交渉が行われる。

 私が何を言いたいかというと、国際勝共連合が如何に反共親米の色濃い政治団体で、岸を筆頭とする日本の保守政治家とパイプがあったとしても、自民党の全てにいきわたっていたわけではない、ということだ。

 この戦後保守における「常識」を知らないネット保守は、「自,民党はなぜ韓国の竹島不法占拠に強い態度を取らないのか」という良く分からないことを言う。そもそも取れるはずがない。日本のタカ派や保守派が、国際勝共連合と関係がある以上、相手の母国に「竹島を返せ」と強く迫ることができる訳が無い。一方、国際勝共連合とは関係が薄い宏池会や経世会系は、日本による植民地支配という罪悪感が強く、また世論も永らくそうであったので、これも強く迫ることができない。総じて自,民党が韓国に対し強硬に出る、ということ自体が構造的に無理筋な話なのである。