有沢広巳はマルクス経済学者として、
右翼や軍部、特高に狙われ、
1937(昭和12)年に治安維持法違反の嫌疑で逮捕。
そんな「危険な左翼」学者であるにもかかわらず、
陸軍は裁判中の有沢に調査を依頼してたりする。
陸軍の要請に答えて、
有沢はアメリカとの戦争になった場合の推移を予測し、
日本の敗北必至というレポートをまとめた。
現実の戦争は有沢レポート通りに推移した。
依頼した軍部の意図は不明ながら、
有沢の統計学的現状分析能力を高く評価していたわけだ。
戦後の有沢は傾斜生産方式を提唱して日本の復興政策に関わる。

ソ連崩壊前まで多くの大学でマルクス経済学が大きな顔をしていたが、
本当に現実政策に役立った働きをしたのは有沢広巳ぐらいじゃなかろうか?