ふ化した直後のメダカに緑色の光をあてる実験で、メスがオスに性転換することがわかり、この実験を行った鹿児島大学水産学部の研究グループは、効率的な種苗生産に生かせる
可能性があるとして期待しています。

これは鹿児島大学水産学部の小谷知也教授らの研究グループが発表したものです。

研究グループはこれまでLED電球の光がメダカにどのような影響を与えるのかを研究してきました。

この一環として大学院博士課程1年の早坂央希さんが、ふ化直後のメダカに緑色の光をあてて飼育を行いました。

この実験で44匹のメスのうち、7匹に精巣が見つかり、オスに性転換したことが確認されたということです。

研究グループは緑色のほか、赤色、青色、白色でも実験しましたが、性転換が確認されたのは緑色だけでした。

また、オスに性転換したメダカとメスを交配させたところ、その卵から生まれた稚魚はすべてメスだったということです。

一連の実験結果から、チョウザメやサケなど卵の需要が高いメスの魚の効率的な種苗生産につながる可能性があるとしています。

研究グループによりますと、高めの水温で魚を飼育することで、メスがオスに変化する例はあるということですが、光による性転換が確認された例はほかにはないのではないかと
しています。

早坂さんは「偶然発見できたのでびっくりしました。水産業に貢献できるように研究を続けたいです」と話しています。

鹿児島大学水産学部の小谷教授は「メダカがどこで光を感じてどのように性転換に作用するのかを調べるのが今後の研究課題です」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20190222/5050005733.html