現在、男の子供に付ける名前の全米人気ナンバーワンは、リアムなのだそうだ。リーアムのことだ。

リアムには、勇気という意味も含まれているらしい。

今回は殺し屋の役だけれども、リーアム兄さんは、その役の中で勇気のようなものを示すのだろうか。

余計な前置きはさておき、オランダ映画がオリジナルの、このリメイク版は結構評価は低いが、僕は好き。

この手の映画の好みは人それぞれだと思うけれど、背景には世界的にも大きな社会問題である人身売買(特に児童や少年少女を誘拐して)があることは、考えてほしい気がする。

日本ではトー横(新宿東宝ビル横の意味)に集まる未成年の家出少女に声をかけて風俗で働かせるというのがニュースになるぐらいだけど、他のアジアの国々を中心に世界中で児童や少年少女の誘拐は横行しており、これに関連した性的搾取や強制労働、強制若年結婚は国連も注視する大きな問題になっている。

大きな原因は、戦争や紛争、貧困で、都市部に人々が流入してスラム街を形成したり、難民となって他国に逃れて、生きるために子供を売ったり、売春をさせたり、場合によっては、人身売買ブローカーみたいなのがいて誘拐を行ったり、極端な場合は、臓器売買まで行う極悪なケースだってあるのだ。アメリカは中南米から、この映画のオリジナルを制作したオランダやヨーロッパは、中東やアフリカからの移民や難民の多い国・地域で、総数はアジアほどではないにしても人身売買が大きな問題になっている。

こうした状況を背景に、記憶が認知症で曖昧になりながらも、殺し屋であっても子供には手を出さないという一縷のポリシーみたいなものは決して忘れないというリーアム兄さんと、人身売買は問題としつつも、捜査対象の社会的な地位を鑑みて裁くことを躊躇う警察組織という対比が大枠となっているサスペンスアクションだ。

アクション映画の制作者だって、社会問題に向き合って、単純で面白おかしいとか、そんなんじゃない作品を作りたいに決まっているのだ。