福島第一原発、メルトダウンした2号、3号機
建物上部で7京ベクレルの激しい汚染が発覚
2021年3月10日 14時40分

原子力規制委員会は一昨年再開した東京電力福島第一原子力発電所の事故調査の報告書をまとめ原子炉建屋の上部で激しい汚染が見付かる等した事から今後の廃炉作業に付いて東京電力と検討を進めるとしています。

原子力規制委員会は放射線量が下がった場所を中心に2年前から事故調査を再開し、その結果を10日に報告書にまとめました。

それによりますと核燃料が溶け落ちるメルトダウンを起こした1号機から3号機の3基の原子炉にあった放射性物質の約1割に当たる、合わせて7京ベクレルが2号機と3号機の建屋上部にあるシールドプラグと呼ばれるコンクリートの蓋に付着している可能性がある事が新たに分かったと言う事です。

規制委員会は汚染が予想以上に激しく仮に廃炉に向けて蓋を取り外す場合、人が近寄って安全に作業する事が極めて困難になるとして被ばく対策を含めて今後の廃炉作業の方法に付いて東京電力と検討を進めるとしています。

この他、原子炉がある格納容器を守る為、中の気体を外に放出する「ベント」という操作を試みた1号機と3号機では気体の一部が配管を通じて建屋に逆流していた事も分かり、これにより建屋内の汚染を広げた可能性があると指摘しています。

また逆流した気体には水素も含まれていて水素爆発に繋がった恐れもあるとして今後、設備の検証等を進める必要があるとしています。

水素爆発に付いては映像を分析する等、初めて詳細な検証が行われ、3号機では最初の爆発に続き水素とは別の可燃性ガスも混ざった爆発的な燃焼が連続して起きていた可能性が高いとしました。

規制委員会は今後も調査を継続するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210310/k10012907351000.html