トヨタの友山茂樹副社長によると、今回の提携はトヨタからソフトバンクに声をかけ、

「両社の若者が中心となり、半年前から検討を進めてきた」。

「交通事故をゼロにしたい」という将来ビジョンが両社共通だったという。

提携を持ちかけた経緯をみると、新市場の展開力に悩むトヨタの焦りもにじむ。

会見のライブ中継を視聴していた他の自動車メーカー幹部からは

「トヨタ以外の自動車メーカーとソフトバンクが深い仲になる前に、

少しでも距離を縮め、仲間に取り込んでおこうという印象だった」との声もあった。

一方のソフトバンク。今年5月、自社の投資ファンドを通じて米ゼネラル・モーターズ(GM)

傘下の自動運転車部門GMクルーズに出資し、最終的に約2割の株式を握ると発表しており、

16年からはホンダともAI(人工知能)分野の共同研究で協力している。

ソフトバンクにとって、トヨタは同サービス分野での数ある提携先のひとつに過ぎない。