だが、中国では政府の手厚い支援を受けて巨大な液晶工場が次々に誕生。

高精細液晶も手掛けるようになった。技術的優位性が揺らいだ

JDIは価格競争に巻き込まれ、赤字体質に陥った。

「数兆円の投資を簡単に決められる国に勝てるわけがない」。

あるJDI幹部はあきらめ顔で話す。だが、国際的な競争環境を見誤り、

工場合理化や事業転換の判断が遅れた影響は否定できず、

識者からは「技術ではなく経営の問題」との指摘も出る。

12日のJDIの株価は79円と、公開価格(900円)の10分の1以下。

批判の矛先はJDI株を保有するINCJにも向けられている。

企業再生を手掛ける民間の投資ファンドの目には、

「(INCJの)売却の判断が遅かった。今の企業価値では足元を見られ二束三文だ」と映る。

中台連合が引き受ける新株の発行価格は1株当たり50円と、公開価格を大きく下回っている。