しかしそれで東芝の抱える問題が全て解決するわけではない。

東芝には米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の

破綻に匹敵する危機が眠っている。

それが平成31年9月から年間220万トン、20年間にわたって販売することになる

米国産の液化天然ガス(LNG)だ。

東芝の説明によると、最大で1兆円の損失が発生する可能性があるという。

東芝はなぜ、「土地勘」がないLNG事業に進出したのか。

日本は23年の東日本大震災以降、原子力発電所の建設がストップ。

建設中の原発はコストオーバーラン(総定額を上回る工事費)を直面し、

東芝の財務内容が悪化した。原発事業は将来性が期待できない状態に陥っていた。

そこで社長(当時)の出身母体である重電部門は

調達コストの高騰が続く燃料に着目した。