製鉄所の閉鎖は、製鉄所や子会社の社員に加え、

「協力会社」と呼ばれる下請け企業の従業員の雇用も直撃する。

合わせて約3300人が働くのは、基幹の製鋼工程にとどまらない。

鉄鉱石や石炭を貨物船から揚げる港湾荷役、それらを運ぶ運輸業、

プラント設備の更新を担う建設業――。

飲食業や事務機器リースなど出入り業者を含めれば、

関連企業は呉市と周辺に網の目のように広がる。

取引先まで含めると、影響はさらに甚大だ。

帝国データバンク広島支店によると、日鉄日新製鋼などグループ6社との

取引企業は県内に117社。全体の従業員数は約1万8千人に上る。

同支店は「非正規雇用者を含めると、さらに多い」と指摘する。