確かに現在の入院患者数の1105人、そして重症者数16人となっており
入院者数と比べても重症者数の数は多くありません。

例えば緊急事態宣言時のピーク時には入院者患者数1413人に対し、
重症者数は105人となっていました。比率からすれば重症者数は今は少ない状況と言えます。

しかし、これをもって「ウイルスが弱毒化した」と言えるのでしょうか?
結論から言うと、言えません。以下にその理由を述べます。

第1波では、診断されていなかった軽症例が診断されている。これまでに指摘されているように、

第1波では、PCR検査体制が十分に整備されていませんでした。

第1波では、感染者数の増加に検査数が追いつけず、ピーク時には検査陽性率が30%を超えていました

この時点での1日当たりのPCR検査数は、320件と、患者数の増加に追いつけていない状況でした。

つまり、新型コロナに感染しているのにPCR検査が実施されずに
診断に至らない事例が相当数あったものと考えられます。

軽症例については当時「4日ルール」などもあり、検査の敷居がやや高かったため、
重症例の方が、優先的に診断されていた実態があります。

おそらく第1波のときも、若者を中心に、軽症者や無症候性感染者はたくさんいたのでしょう。

第2波(2020年7月現在)のPCR検査数と検査陽性率(東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイトより)

さて、現在はと言いますと、1日当たりのPCR検査数は、3600件と10倍ほどに増加しており、

検査陽性率も、6%台を維持しています。

つまり第1波と比較すると、軽症例を含めて感染者が、適切に診断されているものと考えられます。