Appleが横浜に開設した研究開発施設「Apple YTC」は、今年1月に官房長官が視察し、
同3月には稼働すると報じられていました。その後現在に至るまでAppleから
公式発表はありませんが、施設が位置する再開発プロジェクトや研究内容、
そして施設が現状どうなっているかを取材しました。
パナソニック工場跡地の再開発計画「綱島SST」。神奈川県横浜市にある綱島地区では、
パナソニックの工場跡地の再開発プロジェクトとして、2018年の街びらきを目標とする
次世代都市型スマートシティ「綱島サスティナブル・スマートタウン(綱島SST)」
計画が進められています。エネルギーのマネジメントや活用による「サスティナブル」、
自動化や省力化、効率化など、便利で快適である「スマート」を組み合わせたもので、
企業が企業の枠を超えて協力し、未来を創造するというコンセプトです。

横浜市とApple、大手不動産会社、パナソニックなどが参加し、
スマート技術開発施設、スマート商業施設、スマート集合住宅などで構成する計画です。ここにAppleは研究開発施設としてApple YTCを設置します。

Apple YTCについては、2014年9月に首相が街頭演説で明らかにし、
「アジア最大級の研究開発施設」だとしていました。用地取得に絡む動きは
2015年3月ごろに報じられ、当初は2016年にも稼働開始と予想されていましたが、
現地の建築計画表示によれば2017年3月末の完了見込みに。

自動車や人工知能?新技術の研究に取り組む。Appleはこの研究開発施設で、
自動車や人工知能(AI)に関する研究に取り組むと見込まれています。
自動車。Appleの自動車関連開発プロジェクトは、2014年ごろから始まったとされ、
同年より急増した研究開発費は2016年には1兆円にも上りました。
6月にはティム・クック氏がついに自動運転システムの研究について認めています。
人工知能(AI)。Appleは今年1月、MicrosoftやGoogleなどとともに組織する
AI研究グループに加盟することが報じられました。AppleのAI研究は、iOS端末、
そしてMacにも搭載されるようになった音声アシスタントSiriのほか、
機械学習モデルCore MLなどがあり、AI関連専用のチップの開発も手がけているとされます。