「新型iPhone、どんなところに注目されていますか?」
「高性能チップが搭載されているというところだと思います。
5G通信が話題になっていますけど、高速通信に見合った高速なデータ処理をするには、
低消費電力で、かつ高速なコンピューティングが必要になります。
こういった課題をクリアにするためには、世界最小の高性能チップとなっている
『A14 Bionic』といったチップが搭載されているんです。
これは、台湾のTSMCという世界のチップメーカーとしては最大手の会社しかつくれないものです。
これが、iPhoneでは、世界に先駆けて搭載されたというものになります。

さらに、ハード面だけではなく、ソフトウエア面でも工夫がされています。
iPhone 12は、消費電力が大きくなってしまう5G通信が必要のないときは
自動的にLTEに切り替えるというふうな機能があるといわれています。

例えば、映画を丸々1本ダウンロードするには5G、その代わり、普段の使い方では
LTEで十分だということがあると思いますので、そういう切り替えをすることによって、
スマホのバッテリーを長持ちさせるというふうなことができるといっています。

また、5Gサービスを開始したにもかかわらず、端末の普及がなかなか進んでいないことで、
通信キャリアさんは悩んでいたと思うんですけど、
今回の5G対応のiPhoneの登場は、朗報になったんじゃないかと思います」

「新型iPhoneに使われている高性能チップ、それが今後は5G対応スマホの
スタンダードとなっていくのでしょうか?」

「世界シェアとしては、ファーウェイ、サムスン、iPhoneとなっているわけなんですけれども、
米中貿易摩擦のこともあって、ファーウェイなどの中国製のスマホには
最新の高性能チップを、台湾企業から輸入することができないんですね。
そのため、5G対応スマホでiPhoneのシェアを広げるチャンスになるんじゃないかと。

iPhoneユーザーというのは、あくまでも先進国や高所得者層がメインでして、
世界的にはハイスペックなスマホよりも、価格と機能のバランスがいい、
そういったものを重視するユーザーが多いというのもあります。