ふと派遣社員制度について考えたので書いてみる。
原理資本主義は利益の最大化を目指す貪欲さという悪徳と
費用、出費の最小化を目指す吝嗇という二つの悪徳からなる。
損得勘定、その前提である死に対する恐怖という一つの感情に
基づく過剰な合理性、効率性の追求から吝嗇という悪徳が生まれ、
外国人労働者の受け入れや派遣社員制度といったものが生まれる。
問題は吝嗇という悪徳に基づく効率化の追求が必ずしも本当の
効率化につながらないことである。労働者をコストと割り切って
できるだけ派遣社員に置き換えていく恐怖による企業統治は当たり前のことだが
従業員の協力を得られない。むしろ従業員の心を恐怖で萎縮させ、
従業員の自由な発言を抑制し、資本主義的効率化の追求の王道である
生産性の向上という効率化の追求を停滞させる。
なによりも生産性を向上させるアイデアを出した社員を監督する中間管理職に対して、
社員に無駄な時間を与えていたとして吝嗇に基づく経営をする経営者は
処罰するだろうし、会社内に無駄な時間があるとしてもっと従業員の
リストラを進めるだろう。
競争に潰しあいと切磋琢磨があるように効率化の追求にも、吝嗇に基づく
過剰な効率化の追求と、大慈悲と死に対する恐怖という感情の中間にある
節約と生産性の向上を社員全員で追求する適度な効率化(日本語では無名称)の追求があると
いうことをみんなが分かれば派遣社員制度という現代日本の準奴隷制度を解消することができるのかもしれない。