厳密に言うと「特定第二種」の場合、人工増殖個体であれば販売は可能である。
だが、増殖方法が確立されておらず、野生採取のみが流通している動植物の場合は
事実上販売はできなくなる。一方で野生からの採取個体が捨て値で大量販売されることが
無くなるため、本当に人工増殖されている動植物の場合は販売価格が安定し
増殖業者の利益につながる。そういう想定がなされていた。

山田は、この法律の指定種にフセイランを加えようと考えた。
人工増殖できないフセイランの場合、指定イコール販売禁止になるというわけである。

しかし、この提案は他の委員からは難色を示された。
というのも、もともと特定第二種は二次的自然に生息する動植物、つまり里地・里山で
生きている身近な生き物を選んで指定することが前提とされていたからである。
具体的には第一回の指定として、農業用のため池に棲む有皿緑色水魔の捕獲、
草原性の小妖精の採集、平地性の火精サラマンダーの卵塊採取などが規制される
予定であり、植物系の魔物については今のところ検討対象では無かったというのもある。。

そもそも絶滅寸前の種であるならば第一種の希少動植物種に指定して、捕獲・採取を
禁止すべきであり、特定第二種への指定は筋違いである。それが他の委員達の
意見であった。

次回「その25」