カタルーニャ独立宣言「凍結」 中央政府と対話模索 2017年10月11日
https://mainichi.jp/articles/20171011/k00/00e/030/252000c

【パリ賀有勇】スペインからの独立を問う住民投票で賛成が多数を占めた北東部カタルーニャ自治州のプチデモン州首相は10日夜(日本時間11日未明)、
州議会で「カタルーニャは独立国家となる権利を得た」と独立の正当性を強調しつつも、独立宣言を「凍結」して数週間先送りする意向を表明。中央政府との対話を模索する考えを示した。

プチデモン氏は州議会で、中央政府との対話に向けた仲介の申し出が国内外からあったことを明らかにし、「緊張の緩和に努める必要がある」と対話に前向きな姿勢を見せた。
プチデモン氏は独立宣言に関する文書には署名したものの、効力は凍結されているという。AFP通信が、州政府報道官の話として報じた。

自治州は今月1日、憲法裁判所が法的な正当性を認めない中で住民投票を実施。州政府発表の確定開票結果によると、投票資格を持つ531万人の43%にあたる228万人が投票し、
独立に「賛成」は90・18%を占めたが、中央政府が派遣した警察官らが投票箱などを押収する際に多数の住民にけが人が出たことから、激しい反発が独立派に広がった。

プチデモン氏の発言は、独立派に配慮を示しながら中央政府との決定的な対立を避けた形だが、
州議会で発言した独立派議員は「カタルーニャ共和国を建国する機会を失った」と失望を隠さなかった。

一方、「住民投票は憲法違反」として対話を拒み、独立に踏み切れば憲法に基づいて州の自治権停止も辞さない姿勢を示してきた中央政府が、交渉のテーブルに着くかどうかは不透明だ。

だが、対話を求める声は高まっている。
9日には、州都バルセロナのコラウ市長が「対話の余地を失うような行動は慎むべきだ」とプチデモン氏に独立宣言を思いとどまるよう呼びかけるとともに、
中央政府に対しても対話に応じるように呼びかけた。