方言の共通語化について語る
平成の前半くらいまで、関西弁がら標準語への分布拡大した言語多かったよね。
関西弁はどちらかという出超で、その他の方言は南関東含めて入超ばかりだった。 >>43
確かにそういう一面もあるけれども、それと同時に関西への共通語化の影響の方が遙かに大きかった。
1992〜97年の平成前半に大阪府の河内地域で行われた調査では60代・40代・20代で方言が失われていく様がはっきりとわかる。
60代では過半数が使っているのに、20代では10%以下しか使われなくなった・あるいは絶滅した言葉を挙げると
「アカイ(明るい)」「アモ(餅)」「イッケ(親戚)」「オタヤン(お多福)」「カンコクサイ(焦げ臭い)」「ケナルイ(羨ましい)」「コート(地味)」「ココロワルイ(気持ち悪い)」「コロコブ(転ぶ)」「シリコブタ(尻臀)」「ソーレン(葬式)」「チョーズ(洗面/便所)」「チン(お駄賃)」「ツラクル(吊るす)」「ナヤム(取り扱う)」「ニドイモ(ジャガイモ)」「フタイトコ(はとこ)」「ヘキル(仕切る)」「ホゲタ(悪口/口答え)」などがある。 河内と言ってもこれらは大阪市内でも(本来は)使われる言葉がほとんどであって、決して田舎の粗野な言葉ではない。
例えば、上記の調査では「アンジョー(具合よく)」は60代の91%、40代の75%、20代の40%が使用すると答えている。
それとは別に1988〜89年に大阪市内で調査した場合の使用率は60代91%、40代の29%、20代の9%だった。河内調査の数年前という事も考慮すれば大阪市内では河内に先んずる形でかなり共通語化が進んでいる事が伺える。