>>33
現代仮名遣い関係なく、助詞の「を」だけを/wo/と言う方言はある。
長野県南部などはそれで昔から有名。勿論明治生まれの世代で昭和20年代の資料には既に書いてあるので現代仮名遣いは関係ない。茨城県水戸市周辺も助詞のヲのみ/wo/と言う。>>32の言うように愛媛でも同じ。日本語史だけに詳しい人は斯う云う方言学を見逃しがち。これらは現代仮名遣いの制定された時点で既に高齢層になっていた純粋方言世代への調査からも観察される現象。勿論若者で現代仮名遣いの影響により区別が生まれた人もあるだろうが、私の書いた現象は世代的にも時代的にも全く別物。
そもそも現代仮名遣いは昭和21年11月に制定されたが、何も当時の日本人が一気に切り替えた訳ではなく、しばらくは歴史的仮名遣いも多く用いられた。三島由紀夫の「豊饒の海」昭和44年刊など。
長野県開田村は全てのオヲが「女/wonna/」「魚/iwo/」のように/wo/となる。
壱岐島旧柳田村は歴史的仮名遣い通りには基づかないが、本土方言で唯一/o/と/wo/に対立がある。

奄美方言ではオとヲが音韻的に対立する。一部の語彙で「女/wonago/」のように/wo/を残す(ただし多くのヲは有気音/wu/〜/u/に対応し、ア行の無気音オ/ʔu/と対立する)