苦悩深める旧同盟系・中立労連系産別国民民主党の低迷色濃く
http://www.sankei.com/politics/news/180712/plt1807120030-n1.html
来年夏の参院選に向け、国民民主党支持を決めた連合傘下の産別が苦悩を深めている。党の支持率が低迷し、浮揚のきっかけを一向に見いだせないからだ。
組合員の間には「このままでは戦えない」という不安の声が絶えない。(松本学、広池慶一)

電機連合が12日に横浜市で開いた定期大会は、さながら参院選の「決起大会」の様相を呈した。
会場内には組織内候補として改選を迎える国民民主党の石上俊雄参院議員の顔写真入りビラが張りめぐらされ、参加者が石上氏と記念写真を撮るコーナーも設けられた。
挨拶に立った同党の玉木雄一郎共同代表は参院選に向けて気炎を上げた。
「2024年までにもう一度政権交代を起こしたい。具体的なビジョンを持ちながら挑みたい」
連合傘下産別の源流は、旧社会党を支持した官公労主体の総評、旧民社党を支持した民間中心の同盟、両者に属さない中立労連の3つに大きく分けられる。
いずれも旧民主党・民進党を支援してきたが、支持政党が立憲民主、国民民主両党に再編されたことで産別の足並みは乱れ始めた。

参院選では、旧同盟系のUAゼンセンや旧中立労連系の電機連合が国民民主党を、旧総評系の自治労や日教組が立憲民主党をそれぞれ支援する構えだ。
左派色の強い立憲民主党の政策は旧同盟系などとは親和性が低い。
UAゼンセンの松浦昭彦会長は6月の記者会見で、国民民主党を「特定の主義主張に拘泥しない改革中道政党だ」と評価した。

問題は、国民民主党の党勢が低迷していることだ。12日の電機連合大会に出席したある組合員は「このままでは参院選を戦えないという思いはみんな持っている」と明かした。
別の組合員は、立憲民主党が堅調な支持率を維持していることを念頭に
「もともと同じ党なのだから一緒にやればいい。票を食い合えば昨年の衆院選の二の舞いになる」と懸念を口にした。

旧同盟系、旧総評系の2労組が統合され平成19年に発足したJP労組は組織内候補を立憲民主党から擁立する。
野党では「最も支持率が高い」(増田光(みつ)儀(ぎ)委員長)ことが理由の一つだ。

「国民民主党は『人材』に活路を求めるしかない。立憲民主党に勝っている点は人材だ」

電機連合出身の連合関係者はこう強調するが、局面を打開する具体策は見いだせていない。