>>170
> 義満の守護大名の操縦が上手かったのか?
 
義教の粗雑、義政の拙劣と比べればそれは慥かにあるかもしれない。
力づくで叩き潰したり人の神経を逆撫でしたりすれば収まるものも収まらない。
 
その他、
在地の疲弊荒廃の進行度が累積的に作用したこと、
荒廃の強度そのものが亢進して行ったこと、
等に注目している。
『日本中世気象災害史年表稿』に拠りつつ義満から義尚までの各将軍在位期間中に於ける気象災害記事件数と年平均件数を算出すると以下の通り。
・義満:37件 年平均1.37件
・義持:51件 年平均1.75件
・義量:02件 年平均0.67件
・空位:09件 年平均1.50件
・義教:39件 年平均3.00件
・空位:03件 年平均0.50件
・義勝:11件 年平均5.50件
・空位:26件 年平均4.33件
・義政:63件 年平均2.42件
 (※1享徳ノ乱勃発迄17件 年平均3.40件)
 (※2在位期間中に寛正大飢饉有り)
・義尚:16件 年平均1.00件
 
藤木久志氏が同時代記録を集成した労作だが、何しろ中世の記録だから精度にも分布にもムラはある。
しかし義教期辺りから加速度的に気象災害が増大して行った状況は表し得ているだろう。
しかも享徳期以後は地震災害も頻発し始める。
義教期~義政期は義満期よりも遙かに過酷な社会状況が生まれていたものと考えられる。