https://diamond.jp/articles/-/186139

さまざまな経済対策で1996年には景気回復の動きが広がり、金融機関の不良債権問題は解決へ進むかに見えました。
しかし当時の橋本龍太郎首相が主導する財政緊縮政策が打ち出され、政府が97年4月からの消費税2%引き上げを閣議決定すると、景気は冷水を浴びせかけられたように委縮し始めました。

97年に入ると、それまで経験のない信用収縮が生じつつありました。
地価をはじめとする資産価格の低下が実体経済の足を引っ張るデフレスパイラルにより銀行は追加の不良債権償却・引当に迫られ、
自己資本比率規制をクリアしようと一段と激しく貸出金の回収に走りました。
これで流通業界やゼネコン業界などで多くの企業が資金繰りに窮し、事態は不動産バブルの崩壊から、
非製造業を主とする過剰債務企業を市場が追い詰める新段階へ移行しました。