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なぜ袴田巌さんが犯人に仕立て上げられたのか
http://president.jp/articles/-/13260?page=2

当初、捜査は、怨恨、痴情のもつれ、人間関係のうえでのトラブルなどの可能性も排除せずに進められた。ところが、有力な情報は得られない。

「49日過ぎて、ホシをあげられないようでは、刑事の面子が立たない」

私が懇意にしていた警視庁のベテラン刑事の言葉である。被害者が仏教徒であるかどうかは別として、こころある刑事には、7週間かけて調べて「迷宮入りか」では、世間に申し訳がたたない、という意識があったようだ。

このような重大事件が解決されないとあっては、静岡県警にしてみれば沽券にかかわるであろう。
県警本部からは捜査一課の「腕利き」が派遣され、捜査を指揮する。そのあたりから、「シナリオ」が創作されたように思えてならない。

捜査一課は、この事案に「強盗」を加えた。そうなると、犯人の目的、動機もハッキリして、わかりやすい。さらに、犯人を従業員に絞りこむ。
そこで、出てきた情報が、前述した捜査記録で、「最も疑わしい」とされるものであった。

こうして、事実による証拠がためよりも、犯人を先に特定するという無理が通された。それは、いくつもの矛盾を生むことになる。