10年3月、克子さんは「選任手続きは無効」と提訴したが、最高裁で敗訴が確定。14年5月に神社本庁から権宮司を免職、神宮からも解雇された。これに対して「免職、解雇は無効」などとして同6月に提訴した。
主な争点は▽解雇が有効か▽未払い賃金の支払いがあるかどうか▽到津さんに対するパワハラなどの不法行為があったか―など。
神社本庁における神宮での人事権の有無や、境内にある到津さんの住居「職舎」を神宮に明け渡すことなどについても争われ、計22回の口頭弁論で審理が続いてきた。
到津さん側は「解雇は(神職を世襲してきた)社家(しゃけ)の排除をもくろむもの」とし、現在も権宮司の地位にあると主張。昨年7月の本人尋問で「仕事の回覧が回されず、指示通り動いても周囲に妨害された」などと訴えた。
これに対し、神宮側は「無断で休み、再三の指導をしたが反省が認められなかった」などと到津さんが職務をこなしていなかったと反論。「解雇はやむを得なかった」としている。

2月11日大分合同新聞朝刊