レース中に外れそうになり、ゴールしてから完全に落鉄した可能性もある。
 落鉄との因果関係はわからないが、直線に入っても、ラスト400m地点まではコーナーを回ったときと同じ左手前で走り、
その後また300m地点で左に戻し、200m地点で右へと何度も手前を替えていた。
キタサンにとって、苦しい直線だったことは確かなようだ。

 管理する清水久詞調教師は「いいペースで気分よく走っていました。こういう展開になることも予測していました」と話した。

 やはり、極悪馬場の天皇賞・秋の疲れも多少あったのだろうか。1、2着馬は天皇賞・秋を使わなかった馬だったし、天皇賞・秋で2着だったサトノクラウンは10着と大敗している。


しかし、武は「馬の状態はすごくよかった」と言っており、
4着マカヒキ、6着レインボーライン、7着ソウルスターリングと、天皇賞・秋で好走したほかの馬たちも、それなりに上位に来ている。
スーパーレコードで決着した天皇賞・春ほどのダメージではなかったと見てよさそうだ。

 このジャパンカップの勝ちタイムは2分23秒7で、
キタサンの走破時計は2分23秒9。
やや速い決着になったこともキタサンにとっては苦しかったか。
天皇賞・春でとてつもないレコードを叩き出しているので「スピード決着は歓迎」というイメージがあるが、
過去に3度走った芝2400m(2015年ダービー、'16年京都大賞典、ジャパンカップ)で、キタサンの走破時計はすべて2分25秒台だった。

 「今日は23秒台の決着になるだろうと思い、それを頭に入れて乗りました。けっして悪い走りではなく、内容はよかったけど、馬場がだいぶ硬かったですね」と武。
4着との差を見ても、1、2着馬が強かったのだ。

 前半1000m通過は60秒2。昨年逃げ切ったときの61秒7より1秒5も速かった。
それでも、よどみない流れに持ち込んで後続に脚を使わせる走りは、キタサンの強力な武器でもある。
時計というのは、馬場状態や流れ次第でいかようにも変わってくるものだし、キタサンの走破限界時計が2分25秒台だと言うつもりもないが、今回は結果が伴わなかった。

 「いいレースができて、最後はもう少し突き放せるかと思いましたが、1、2着馬が強かったですね」と武が話したように、
シュヴァルグランとレイデオロが素晴らしい走りを見せた。
キタサンから4着のマカヒキまでは4馬身もの差がついていた。

 次走、12月24日の有馬記念がキタサンブラックのラストランとなる。

 清水調教師は「結果は仕方がない。もう1回脚元を確認して出直します。次は目一杯仕上げます」と雪辱を誓った。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171127-00829374-number-horse