https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201806030001-spnavi?p=2
そのトップを走る存在――すなわち日本のマイル戦線をけん引するチャンピオンホースとしての期待が、
これからのモズアスコットには掛けられることになる。望むところ、とばかりにトレーナーはさらに口調を強めた。

「もちろん、そういった存在にならなければいけない馬だと思っていますし、そう信じています。
この馬は、オーナーに無理を言って3歳6月までデビューを遅らせたように、体質的にちょっと弱いところがあるので、まずは無事に行くのが第一。
でも、それだけに今後の上昇度は凄いと思いますし、フランケルの産駒ですから、もっと大きいところを取らせて世界的な種牡馬にしたいと思っています」

この言葉が示すように、そして馬名に“アスコット”が入っているように、陣営の将来構想にはすでに“世界の舞台”が組み込まれているのだ。
安田記念の勝ち馬には米ブリーダーズカップマイルの優先出走権が与えられることから、海外挑戦を問われた矢作調教師は、こう続けた。

「検疫や輸送など色々と課題があるので今は慎重に考えたいですが、いずれは世界で戦う馬だと思っています。
今年の秋は国内の可能性が高いと思いますが、時期を見て判断したいですね」

モーリスがターフを去った後、混沌としていたマイル界に現れた新星。世界のモズアスコットとなるために、まずは秋のマイルCSで国内完全制圧を狙う。