種牡馬勢力図が変わるかもしれない。
そう思わせたのが、秋華賞を圧勝して3冠牝馬になったアーモンドアイ(写真)だろう。
種牡馬ロードカナロアは、初年度産駒から歴史的な名牝を輩出。
カナロア人気がグングン高まっていて、偉大な種牡馬ディープインパクトを超えるのではないかといった見方もあながち無理筋ではないだろう。

 競馬評論家の須田鷹雄氏が言う。

「日本競馬は、米国からサンデーサイレンスを導入したことで、その血を受け継いだ産駒が多くなり過ぎました。
ディープインパクトの成功で、その流れに拍車がかかり、非サンデー系の種牡馬が求められていたのです。そこに登場したのが、ロードカナロア。サンデー系の繁殖牝馬には、とても相性がよく、カナロア産駒が増えるのは間違いありません」

 現役時代のカナロアは、香港を含めてGT6勝と短距離王の名をほしいままにした。産駒は、アーモンドアイのように距離を克服できるのか。

「カナロア自身は、現役時代の成績が物語るように短距離の種牡馬です。
アーモンドアイは、母フサイチパンドラの血筋から2400メートルを克服しましたが、すべてのカナロア産駒が距離を克服できるわけではありません。
アーモンドアイと重ねてカナロア産駒をクラシック候補としてPOGで指名したり、一口馬主で購入すると痛い目に遭うかもしれません。
カナロア産駒で距離が持つのは、母系にスタミナがあるケースのみ。そこに種牡馬のすみ分けの余地があります。長距離砲として期待するなら、たとえばカナロアと同じキングカメハメハ産駒のルーラーシップやハーツクライの方がおすすめです」
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