競馬統括機関のフランスギャロは11月28日、財政緊縮策の一環としてパリ近郊にあるメゾンラフィット競馬場を2019年限りで閉鎖することを発表した。

 1878年に開設されたメゾンラフィット競馬場は、1986年まではGI(ロベールパパン賞、2歳、現GII)も開催されていた。
英ニューマーケットと並ぶ2000メートルの直線競馬が可能なコースを持ち、左右どちらの回りでもレースが行われる面白い競馬場だった。

 だが、観戦に訪れるファンは少なく、セーヌ川沿いにあるため、馬場(芝のみ)は軟らかく、コースが冠水に見舞われるなどのトラブルも多かった。
競馬場の近隣には調教場があり、50年代にはシャンティイ並みの3000頭の競走馬がいたが、現在は500頭程度にまで減少している。

 日本とも縁があり、最近では7月のGIIIメシドール賞でジェニアルが優勝。
2013年にフランスに長期滞在した藤岡佑介騎手が海外初勝利を挙げたのも、メゾンラフィット競馬場だった。

 仏2000ギニー、1000ギニーの重要ステップレースも行われ、ヌレイエフやその産駒ミエスクといった名馬も走ったターフが見納めとなるのは惜しまれるが、調教施設は残される予定。
フランスの主要競馬場の閉鎖は1996年のエヴリ以来になる。 (在仏競馬記者)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181205-00000573-sanspo-horse
https://i.imgur.com/VfCEKH9.jpg