「最も野次られるアスリート」といえば、競馬の騎手ではないだろうか。

 一般的にファンにとっての「野次」は愛情の裏返しという意見もある。
だが競馬の場合、単純にスポーツであると同時に、金銭の損得が発生するギャンブルという側面もあるだけに、勝負の結果を左右する騎手は、常日頃から厳しい立場に立たされることが珍しくない。
例えば、今年の3月に行われたマーチS(G3)で単勝2.0倍の1番人気だったハイランドピークで9着に敗れた横山典弘騎手は、
その後の通算2700勝記念セレモニーで
「ああいうレースになっても、ジョッキーたちをあまり責めないで......ああ、オレだけか(笑)。僕のことを責めないで、
本当にジョッキーは、みんな一生懸命にやっていると思う。
できれば温かい目で見て頂けるとありがたい」
とコメント。
やはり、ファンの野次のいくつかはしっかりと本人に届いているようだ。

 そんな競馬特有の激しい野次に、現在"どん底"に陥っているのが岩田康誠騎手だ。

「今年の天皇賞・春(G1)で約3年ぶりにG1を勝って復活をアピールした岩田騎手ですが、ここのところ勝ち星に恵まれず連敗中......。
メンタル的にも、かなり気にしているようで、つい先日も近しい関係者に『朝から野次がキツイわ......。やる気ないなら園田に帰れ!とか、ホントに辛い』と漏らしていたとか。

結果が出ないと、どうしても野次られることが多くなるのが騎手の辛いところで、あまり気にしないようにしているそうですが"弱り目に祟り目"というか、結果が出ていない時の野次はことさらキツイそうです」(競馬記者)

 騎手と野次では様々なエピソードがあるが、あまりにも心無い野次に思わず「反撃」してしまうこともあるようだ。