日本中央競馬会(JRA)でデビュー3年目の大塚海渡騎手(20)が、所属厩舎(きゅうしゃ)の木村哲也調教師(48)の度重なる暴言、暴行のパワーハラスメントで精神的苦痛を負ったとして、同調教師に850万円余りの損害賠償を求める訴訟を水戸地裁土浦支部に起こしたことが12日、分かった。父の哲郎さんと代理人の弁護士がリモートで記者会見して明らかにした。

それによると、大塚騎手は木村調教師から頭部を殴打されるなどの暴行を継続的に受けた。うち2件について5日に茨城県警稲敷署に被害届を提出。調教師と新人騎手の関係では我慢するしかなく、いつまた殴られるかもしれないという恐怖に支配されていたという。

また昨年1月に落馬事故で1週間ほど意識不明の重体に陥り、回復後に所属を離れてフリーになることを希望。同調教師も承諾し、協力する姿勢を示したが、その後一転して、手を出したのは教育目的と主張、謝罪や再発防止の対応などを拒否したという。同騎手は現在、乗馬や筋力トレーニングなどを行って復帰の準備を進めている。

第1回口頭弁論は20日に開かれる。JRAは「警察による捜査中の事案でもあるので、現時点ではコメントを差し控えたい」としている。(共同)
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