ソース(朝日新聞) http://www.asahi.com/articles/ASGCF7JC1GCFPTIL02M.html

特別永住資格は、1991年にできた出入国管理特例法で定められています。
45年9月2日以前から日本に住み続ける在日韓国・朝鮮人やその子孫らを対象に日本での永住を認め、
一般の永住資格と違って入国審査時に顔写真の撮影や指紋採取が必要なく、
証明書の携帯も求められていません。

こうした資格は「特権」なのでしょうか。法務省入国管理局の担当者に聞くと、
「特権とは思っていません」と返ってきました。歴史的な経緯が背景にあるというのです。

1910年、日本は朝鮮半島を支配下に置き、日韓併合によって朝鮮人は「日本国民」とされました。
さらに労働力を補うため、朝鮮半島から日本の軍需工場や炭鉱などへ動員されたほか、
貧困から逃れるため日本を目指す人もいて、多くの朝鮮人が日本に住むようになりました。

ところが終戦後の52年、サンフランシスコ講和条約が発効され、朝鮮半島の独立が承認されると、
日本政府は一転して在日の韓国・朝鮮人について「日本国籍を失う」と通達しました。

それ以降、こうした人たちが引き続き日本で暮らせるように議論が続けられ、日本政府は法整備も進めてきました。
長く日本に住み、かつては日本国籍も持っていたことを考慮し、
子孫も含めて安定した生活が送れるよう整備されたのが特別永住資格です。

これを法務省の担当者は、「特権」ではなく、「歴史的な経緯と日本での定着性を踏まえた配慮」と説明しています。