張りのある声で有名な同局の女性アナウンサー、李春姫(リ・チュンヒ)さんだった。北朝鮮の重大放送のたびに登場しているが、
一体どんな人物なのか。各種報道から人物像を探ってみた。

李さんは1943年生まれ、平壌演劇映画大学俳優科を卒業した後、1971年2月から45年間にわたって、マイクを握り続けている。
他の女性アナウンサーと違って、常に民族衣装のチマ・チョゴリで登場。ミサイル発射や金正日総書記の死去などの重大放送を、
金日成時代から金氏3代の政権全てにわたって担当している。

北朝鮮の月刊誌「朝鮮」2008年4月号によると、北朝鮮のアナウンサーとしては最高の栄誉となる「人民放送員」「努力英雄」と
いう二つの称号を受けている。国家から特別待遇を受けており「首都平壌の美しい場所にある彼女の自宅には、夫と二人の息子、
そして嫁や孫娘が暮らしている。現代風の自宅も高級乗用車もすべて国から贈られた」という。

同誌は李さんについて「迫力があり、訴えに力のある鉄のような声」「声明や談話を発表する際には、敵の肝を冷やすような攻撃的な
話術の才能を持っている」などと紹介した。

李さんは2011年10月以降、12月の金正日総書記死去の特別番組まで50日以上も姿を見せず、様々な臆測を呼んだこともあった。
中国中央テレビによるインタビューで、登場機会が減った理由を問われた李さんは「同僚たちはみな若くてきれい」と笑って答えた。
同局は「70歳近い李さんは徐々に一線を退き、後進の育成に力を入れている」と説明していた。

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