これまで通説では、ネトウヨの多くは「若いヒマ人で、無知な低学歴、低収入の貧困層」とされてきた。
若いからといって人種的偏見を許容していいわけではないが、多くの苦労を重ねてきたはずの高齢者が
ネトウヨに加わっていたことに愕然とする。若年層より中高年の方が差別意識が高いことは分かったが、
彼らネトウヨはどんな属性を持っているのか。

大阪大学の辻大介准教授の調査(2014年)によれば、ネトウヨ層は男性が79%と圧倒的
に多く、ネットのヘビーユーザーで、ツイッターを活発に利用する。右派系のオンラインニュースサイトへの
接触も多かった。具体的には「ニコニコニュース」「MSN産経ニュース」(現・産経ニュース)、「時事
ドットコム」で、いわゆる大手メディアとされる「読売」「朝日」「毎日」系のサイトへのアクセスは少なかった。

辻准教授は「経済状況の不遇が保守的排外性の発露につながっていることを思わせる」と分析している。

「彼らは在日朝鮮の方々をおとしめることで、日本が良くなると本気で信じているようなところがある。純粋
過ぎて、宗教的な怖さすらあります」

最近、右翼発言が目立つ人物として思い起こすのは、吉田嘉明氏(DHC会長=77)、元谷
外志雄氏(アパグループ代表=75)、高須克弥氏(医師=73)と、やはり高齢者が多い。
若い人たちは冷静に対処しているのに、なぜ高齢者は他国や他者の意見を受け入れにくいのか。