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【BAN祭り主犯】けーざい(@keezay)を倒そうぜ Part3
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0002マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 12:05:11.78ID:KghUcw3V
【けーざいさんの慎ましやかな日常】
https://i.imgur.com/Q1jX1jx.jpg
https://i.imgur.com/qbMQW8v.jpg
https://i.imgur.com/L7m5aaz.jpg
https://i.imgur.com/P3sxS2G.jpg
https://i.imgur.com/wyK15Zz.jpg
https://i.imgur.com/Ibc32mW.jpg
https://i.imgur.com/66oOVUj.jpg

【けーざいさんの辛いお仕事】
https://i.imgur.com/mAOOwqF.jpg
https://i.imgur.com/gHh9S6S.jpg
https://i.imgur.com/4xQ8Atn.jpg
https://i.imgur.com/7AXPC9L.jpg

【けーざいさんの心の闇】
https://i.imgur.com/woEj0Ab.jpg
https://i.imgur.com/rneyQNj.jpg
https://i.imgur.com/rm8R8FB.jpg
https://i.imgur.com/ReQslkJ.jpg
0003マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 12:56:26.84ID:LnaGB2Vp
國學院卒のインテリや
0006マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 13:31:33.98ID:t6QT5P4w
>>1
乙!
ありがとう!

それにしても、けーざい他、通報界隈の連中って底辺だらけやな。
ボランティア(笑)する暇があるなら働きゃいいのに。
いい歳こいて親のすねかじりなのか、はたまた生活保護なのか、
そんなごくつぶしが真昼間から天下国家を案じるとは、日本は本当に平和だよな。
0007マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 17:40:35.19ID:AHc72Q+t
けーざいは通報のことで警察にお墨付きもらってるんだね
なぜ警察が出てくるのかよくわかんないけどw
0009マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:05:09.04ID:oJKsS5Yl
オレは禁断の森の奥、獣道で三匹の狼の様な魔物に追いかけられていた。
0010マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:05:26.30ID:oJKsS5Yl
 オレの鼓動は高鳴り、冷や汗を背中に掻き、息を切らして魔物に振り返る。
0011マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:05:43.85ID:oJKsS5Yl
 魔物は身体中から暗黒のオーラを放ち、紅く鋭い眼光に吸い込まれそうだ。
0012マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:06:02.51ID:oJKsS5Yl
 魔物は荒い息を上げて低く唸り、涎を垂らしながら、鋭い牙を覗かせ吠えて走ってくる。
0013マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:06:19.96ID:oJKsS5Yl
 舗装されてないので足元がかなり悪く、雨が降ったのか大小の水溜りが出来ている。
0014マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:06:42.60ID:oJKsS5Yl
 オレは前を向いてないので、前方不注意で盛大に水溜りを踏んだらしく、派手な水飛沫が飛び散る。
0015マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:07:00.29ID:oJKsS5Yl
 おかげでスニーカーが濡れ、靴下までも濡れて気持ち悪い。スニーカーが泥だらけだ。
0016マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:07:19.36ID:oJKsS5Yl
 おまけに水溜りを踏んだせいで、足を持っていかれ危うくこけそうになる。
0020マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:08:33.43ID:oJKsS5Yl
 嫌な予感がする。オレの頬に冷や汗が伝い、オレは顔を戻す。
0021マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:08:51.08ID:oJKsS5Yl
 腕を必死に振って走り、小さな水溜りを飛んで避け、大きな水溜りはスニーカーや靴下が濡れるのを構わず走る。
0024マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:09:46.82ID:oJKsS5Yl
 獣道の脇では、樹の影や枝の上で紅い眼が蛍の光の様に幾つも光が点滅している。
0025マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:10:05.41ID:oJKsS5Yl
 まさか、さっきの遠吠えで仲間を呼んだんじゃないだろうな。
0026マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:10:23.75ID:oJKsS5Yl
 オレの悪い予感が的中するかのように、獣道の脇、樹の影からぞろぞろと狼の様な魔物が出てきた。
0029マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:11:26.03ID:oJKsS5Yl
 どの魔物も涎を垂らし、オレに鋭い牙を向けて威嚇して吠えている。
0030マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:11:46.51ID:oJKsS5Yl
 腹が空いているのか、苛立ったように足を踏み鳴らし、今にも突進してきそうだ。
0031マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:12:04.52ID:oJKsS5Yl
 嫌な目だぜ、どいつも同じ様な面してやがる。仲間でオレを狩るつもりか?
0032マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:12:21.70ID:oJKsS5Yl
 オレはまだ十一なんだぞ。こんなとこで、魔物の餌になりたくねぇ。
0035マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:13:18.60ID:oJKsS5Yl
 その時、オレは獣道に転がっていた小石につまずき、片足が派手に上がる。
0038マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:14:01.51ID:DVCCF3oX
けーざい粘着民は恨むならfuku爺chanを恨んでくれよ
あの爺が暴れなければけーざいスレまでヘイトを買うこともなかったんや
0039マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:14:14.51ID:oJKsS5Yl
 その時、オレの左隣を走っていた幼馴染のネロが右手を伸ばしてオレの胸を支えてくれる。
0040マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:14:33.04ID:oJKsS5Yl
 ネロは黒いハットを斜めに被り、整った目鼻立ちで黒縁メガネ。左耳にピアス。
0041マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:14:52.17ID:oJKsS5Yl
 服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。
0044マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:15:47.30ID:oJKsS5Yl
 ネロのハットとジャケットは砂埃で汚れ、指輪とブレスレットに小さな泥が付いている。
0046マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:16:25.59ID:oJKsS5Yl
 ネロはオレの胸からそっと手を離し、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。
0047マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:16:44.18ID:oJKsS5Yl
 ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の3D立体映像が表示された。
0048マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:17:01.86ID:oJKsS5Yl
 3D立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。
0049マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:17:19.35ID:oJKsS5Yl
 オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。
0053マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:18:31.33ID:oJKsS5Yl
 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。
0055マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:19:09.56ID:oJKsS5Yl
「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。ミサの援護を待とう」
0057マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:19:46.76ID:oJKsS5Yl
「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか? ミサを待ってられるかっ」
0059マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:20:21.46ID:oJKsS5Yl
 魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。
0060マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:20:40.18ID:oJKsS5Yl
 こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。
0061マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:21:00.67ID:oJKsS5Yl
 オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。
0062マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:21:19.70ID:oJKsS5Yl
 オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。
0063マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:21:39.73ID:oJKsS5Yl
 オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。
0064マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:22:03.79ID:oJKsS5Yl
「こいつらなんなんだ? アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」
0065マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:22:24.14ID:oJKsS5Yl
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。
0067マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:23:05.61ID:oJKsS5Yl
「わからない。もしかしたら、禁断の森に棲んでいる新種の魔物かもしれない」
0068マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:23:22.45ID:oJKsS5Yl
 ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。
0069マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:23:40.88ID:oJKsS5Yl
 ネロは顎に手を当てて腕を組み、魔物を観察して考え込んでいる。
0070マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:23:57.92ID:oJKsS5Yl
 ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。
0071マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:24:17.33ID:oJKsS5Yl
 その時、ネロの左耳に装着しているインカムに、幼馴染のミサから無線が入る。
0073マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:24:57.04ID:oJKsS5Yl
 ネロのインカム越しから、ノイズ交じりで幼馴染のミサの暢気な声が聞こえる。
0074マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:25:16.33ID:oJKsS5Yl
 ミサはホバーボードで禁断の森の偵察に行ったままだったが、やっとミサから無線が入る。
0075マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:25:36.32ID:oJKsS5Yl
 オレは額に両手を当てて空を仰ぐ、ミサどこにいるんだよ。
0076マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:25:54.53ID:oJKsS5Yl
 つうか、いままでどこ行ってやがった。オレのことは無視かよ、ミサ。
0078マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:26:31.73ID:oJKsS5Yl
腹を空かしているのか、魔物たちがジリジリとオレたちとの距離を縮める。
0079マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:26:49.32ID:oJKsS5Yl
 魔物は低く唸り、吠えたり、涎を垂らし、歯を噛んで鳴らし、仲間の首に噛みついたりじゃれている。
0080山賊局参號
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2020/09/16(水) 19:27:02.36ID:G6jAuTMA
やっぱりこの展開(^_^;)

ヘイトスピーチを許さないスレには来ないんだぜ?
と、言う事はパヨの仕業じゃん!
0081マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:27:07.80ID:oJKsS5Yl
オレは魔物を睨み据え、斜め掛けの鞘に収めている剣の柄に手をかける。
0085マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:28:22.09ID:oJKsS5Yl
「この数を相手にするつもりか? 相手にするとキリがない。こいつでまとめて片付ける」
0086マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:28:39.70ID:oJKsS5Yl
 ネロはジャケットのポケットから、銀色の小さな丸い球形を二個取り出した。
0088マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:29:16.31ID:oJKsS5Yl
 ネロは後ろに手を回して、銀色の小さな球形をオレに手渡す。
0089マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:29:34.52ID:oJKsS5Yl
 オレは首を傾げ、手を後ろに回してネロから得体の知れない銀色の小さな球形を受け取る。
0090マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:29:49.72ID:rIq0jGl3
>>80
fuku爺chanが粘着した相手のスレが軒並み潰されてるんやで
勝手にパヨのせいにしたらあかん
0092マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:30:11.17ID:oJKsS5Yl
 オレは眉根を寄せ訝しげにネロから受け取った銀色の小さな丸い球形を両手の掌で転がす。
0093マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:30:29.04ID:oJKsS5Yl
 オレは銀色の小さな球形が転がる動きを細い目でつまらなそうに追う。
0094マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:30:45.92ID:oJKsS5Yl
 ネロが肘でオレの脇腹を小突かれて、オレはネロに振り向く。
0095マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:31:04.52ID:oJKsS5Yl
「手前に水溜りがあるだろ? こいつで奴らを感電させる。ある程度倒せるだろ、後のことは考えてない」
0096マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:31:37.03ID:oJKsS5Yl
 ネロは手前の水溜りを睨み据え、左手をジャケットのポケットに突っ込んで銀色の小さな球形を放り投げて遊んでいる。
0098マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:32:19.61ID:oJKsS5Yl
 ネロの作戦が耳に入ってなかったオレは数秒遅れて、両手の掌で銀色の小さな球形を転がす動きが止まった。
0099マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:32:41.52ID:oJKsS5Yl
 今更ながらネロの作戦に驚き、オレは銀色の小さな球形を握り締め、そのまま拳を振り上げた。
0101マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:33:27.40ID:oJKsS5Yl
 周りを見渡せば、確かにオレたちの周りに大小の水溜りがある。
0103マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:34:11.74ID:oJKsS5Yl
 オレは握り締めた指を広げて、掌に載っている銀色の小さな球形を見つめる。
0105マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:34:53.11ID:oJKsS5Yl
「ボクを信じろ。それとも、カイトはボクを信じられないのか?」
0106マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:35:08.56ID:oJKsS5Yl
 ネロが念を込めてオレの脇腹を小突き、ネロはカイトに意思表示する。
0108マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:35:45.87ID:oJKsS5Yl
 黙って銀色の小さな球体を握り締めて、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。
0110マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:36:26.03ID:oJKsS5Yl
 その時、ネロのインカムからノイズ交じりで緊張感のないミサの暢気な声が聞こえる。
0115マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:38:08.30ID:oJKsS5Yl
「奴らが水溜りの上を歩いたら、そいつを投げるんだ、いいな?」
0116マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:38:28.15ID:oJKsS5Yl
 ネロはミサを無視して、黒いハットに手を載せ、銀色の小さな球形を握り締めた。
0120マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:39:39.67ID:oJKsS5Yl
 オレは緊張で唾を飲み込み、ごくりと喉を鳴らす。何故か喉が渇き、冷や汗が頬を伝う。
0122マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:40:17.52ID:oJKsS5Yl
 ネロは左手をジャケットのポケットに手を突っ込み、右手で銀色の小さな球形を握り締めて手を構えている。
0123マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:40:36.38ID:oJKsS5Yl
 後ろの敵と前の敵を気にしながら、ネロはタイミングを窺っている。
0124マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:40:57.36ID:oJKsS5Yl
 どうやら、ギリギリまで奴らを引き付けるつもりらしい。
0128マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:42:19.18ID:oJKsS5Yl
 オレは水溜りの上を歩く奴らに向かって、銀色の小さな球形を放り投げる。
0129マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:42:37.73ID:oJKsS5Yl
 銀色の小さな球形は放物線を描いて水溜りに落ちた瞬間、強烈な青白い電撃が魔物たちを巻き込んで襲い始める。
0130マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:42:56.45ID:oJKsS5Yl
 あまりの眩い光に、オレは思わず「うっ」と声を漏らす。顔の前で眩い光を手で遮り、片目を瞑る。
0132マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:43:33.23ID:oJKsS5Yl
 魔物らが水溜りの上で咆哮を上げながら、魔物の身体は黒こげになり黒煙を上げ、絶命したのかばたばたと横に倒れてゆく。
0133マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:43:52.51ID:oJKsS5Yl
 電撃を食らわなかった魔物らは、一瞬何が起こったか理解できず、首を傾げてお互い顔を見合わせる。
0134マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:44:10.53ID:oJKsS5Yl
 数秒が経ち、魔物らは仲間の死体を見つめて悲しい眼をして後退り、ぞろぞろと踵を返して樹の影に消えてゆく。
0135マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:44:27.55ID:oJKsS5Yl
 まだ諦めてないのか、樹の影で魔物の紅い目が光っているのが不気味だった。
0138マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:45:21.69ID:oJKsS5Yl
「なんとかなったな。正直、お前の親父の発明品、馬鹿にしてたぜ」
0141マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:46:15.88ID:oJKsS5Yl
 よく変な物を発明しては、騎士団と親衛隊に役立っている。
0142マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:46:34.88ID:oJKsS5Yl
 自慢げにネロは、オレとミサに親父の発明品を見せびらかす。
0143マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:46:53.26ID:oJKsS5Yl
 秘密基地で親父の発明品を弄っては、武器を改良するのがネロの趣味とかなんとか。
0145マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:47:31.46ID:oJKsS5Yl
 お前が親父の発明品を弄る時、ミサがいつもつまらなそうにしているのがわからないのかよ。
0147マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:48:08.82ID:oJKsS5Yl
「よせよ。お前は何も考えずに突っ走るところがある。無駄な戦いは避けたい」
0150マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:49:04.18ID:oJKsS5Yl
「悪かったな、何も考えてなくて。今回は、お前に助けられたな」
0151マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:49:22.80ID:oJKsS5Yl
 ネロの背中越しに、魔物らが黒こげになっているのを見て、オレは口笛を吹く。
0152マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:49:41.46ID:oJKsS5Yl
「ねぇ。こんなとこにラウル古代遺跡があるわけ? 見たとこ森が広がってるし、でっかい湖はあるし。何もないじゃない」
0153マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 19:50:00.13ID:oJKsS5Yl
 ネロのインカムに、ノイズ交じりでミサから無線が入る。
0154マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:50:19.11ID:oJKsS5Yl
 お前は暢気でいいよな、ミサ。オレとネロは散々な目に遭ったってのに。オレは愚痴を零す。
0155マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:50:37.66ID:oJKsS5Yl
 オレは空を仰いで額に両手をくっつけ、お気楽なミサを探す。
0156マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:50:56.06ID:oJKsS5Yl
 オレはミサを探すのを諦めて頭の後ろで手を組み、樹の影に消えてゆく魔物らを見送る。
0157マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:51:14.14ID:oJKsS5Yl
「あいつらも諦めてくれたし、さっさとこんなとこ離れようぜ」
0159マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:51:50.46ID:oJKsS5Yl
 ネロの横を通り過ぎようとした時、ネロは手でオレを制す。
0161マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:52:28.17ID:oJKsS5Yl
 ネロは何匹か残った魔物を見回した後、自分が倒した魔物の前にいる、生き残った魔物たちを睨み据える。
0163マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:53:05.57ID:oJKsS5Yl
 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけ、残った魔物たちを見回す。
0165マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:53:43.45ID:oJKsS5Yl
 オレたちの前から立ち去らずに残った魔物は、なんと黒こげになった魔物の死体を喰い始めた。
0166マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:54:01.89ID:oJKsS5Yl
 魔物は喧嘩しながら、魔物の死体を貪る。生々しい咀嚼音が聞こえる。
0167マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:54:20.17ID:oJKsS5Yl
 信じられない光景を目の当たりにして、オレは思わず後退る。
0172マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:55:56.52ID:oJKsS5Yl
 ネロは緊張した声音で、腰に巻いたホルスターのオートマチック銃の柄に手をかける。
0173マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:56:16.74ID:oJKsS5Yl
 ネロは余った手でジャケットのポケットに手を突っ込んだ。さっきの武器を使うのだろうか。
0174マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:56:35.15ID:oJKsS5Yl
 共食いしている一匹の魔物が貪るのを止めて顔を上げ、低く唸りながらオレたちに吠えて威嚇して見ている。
0175マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:56:53.05ID:oJKsS5Yl
 その魔物は、低く唸りながら足を踏み鳴らし、なんと姿を変え始めた。
0176マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:57:11.40ID:oJKsS5Yl
 その魔物は皮膚が解けてメタリックの骨格が露わになる。足の爪がさらに鋭くなり、背中にキャノン砲が現れた。
0177マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:57:29.83ID:oJKsS5Yl
 それぞれメタリックの骨格姿に変えた魔物の背中に様々な武器が現れる。
0178マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:57:48.02ID:oJKsS5Yl
 ミサイルランチャー、ガトリング砲、ビームキャノン砲。
0179マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:58:07.07ID:oJKsS5Yl
 姿を変えた魔物が勝ち誇った様に口許を綻ばせ、紅い目が鋭く光り、次々に背中に装備した武器を発射したり撃ってくる。
0185マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 19:59:58.24ID:oJKsS5Yl
 ミサがオレたちの頭上で呪文を詠唱した声が聞 こえたかと思ったら、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、ふわりとオレの身体が浮き上がる。
0186マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:00:17.69ID:oJKsS5Yl
 その間に奴らの攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たるが、奴らの攻撃がジャンボシャボン玉に吸収されてゆく。
0188マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:00:55.58ID:oJKsS5Yl
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスを取るのに必死で、ジャンボシャボン玉の中で忙しく回転している。
0189マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:01:13.82ID:oJKsS5Yl
 回転しすぎて気分が悪くなり吐きそうになり、ロ許を手で押さえる。
0191マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:01:50.30ID:oJKsS5Yl
 ネロはジャンボシャボン玉の中でハットを押さえ、胡坐をかいてジャケットのポケットに手を突っ込んでいる。
0192マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:02:08.44ID:oJKsS5Yl
 ネロの奴、平然とパランス取りやがって、優雅に景色を堪能してやがる。
0195マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:03:03.04ID:oJKsS5Yl
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスをとるのに悪戦苦闘し、くるくる回ること数分が経ち、そろそろバテた頃。
0196マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:03:20.66ID:oJKsS5Yl
 オレはコツを掴み、やっとジャンボシャボン玉の中でバランスが取れる様になる。
0197マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:03:37.60ID:oJKsS5Yl
 オレは胡坐をかいて頬杖を突き、勝ち誇った様にネロを睨む。
0198マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:03:56.45ID:oJKsS5Yl
 ネロは相変わらずハットを押さえて胡坐をかき、ジャケットのポケットに手を突っ込み、眼下に広がる景色を堪能している。
0200マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:04:35.52ID:oJKsS5Yl
 オレは立ち上がり、退屈しのぎに片足を上げてよろけながらシャボン玉の内側をこぶしでたたいてみるが、金属の様な硬い音がする。
0202マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:05:10.56ID:oJKsS5Yl
 ふと下を見ると。オレの眼下で小さくなった奴らが悔しそうに攻撃を諦めてオレたちを呆然と見上げている。
0204マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:05:48.57ID:oJKsS5Yl
 オレはネロに背を向けて寝転び、耳を穿りながら眼下に広がる景色を眺めた。
0205マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:06:08.09ID:oJKsS5Yl
 広大な森が広がり、山が連なり、川が流れ、大きな湖、大きな滝、古城、遺跡がちらほら見える。
0206マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:06:26.94ID:oJKsS5Yl
 大自然がオレを呑み込み、オレは息を呑む。これが、世界か。初めて見る。
0208マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:07:03.21ID:oJKsS5Yl
それにしても。
禁断の森の途中まで馬で来て、すく帰るつもりだったんだよな。
0209マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:07:21.66ID:oJKsS5Yl
 馬はミサの魔法でゾット帝国騎士団の馬小屋に返したのはいいけどよ。
0213マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:08:36.88ID:oJKsS5Yl
 爺ちゃんの最期の冒険、ラウル古代遺跡を確かめるため、ここまで来た。
0215マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:09:12.79ID:oJKsS5Yl
 オレは爺ちゃんに貰ったクリスタルの首飾りのクリスタルを握り締める。
0216マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:09:30.20ID:oJKsS5Yl
 このクリスタルは、爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したらしい。
0217マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:09:48.82ID:oJKsS5Yl
 爺ちゃんが死んでから、オレはクリスタルの首飾りを肌身離さなかった。
0219マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:10:24.19ID:oJKsS5Yl
 オレたちを包んだシャボン玉は上昇気流に乗って目がくらむ高さまで上昇した後、風に任せてゆっくりと飛んでゆく。
0222マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:11:19.62ID:oJKsS5Yl
「なんだ?」
オレは何事かと思い、音のする方に顔を向ける。
0223マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:11:38.32ID:oJKsS5Yl
 騒音とともにごっついホバーボードに乗った、幼馴染のミサがオレとネロの間に割って入る。
0224マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:11:57.52ID:oJKsS5Yl
 オレは寝返りを打って、やっと来たミサを「おせえんだよ」と呟く。
0225マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:12:16.00ID:oJKsS5Yl
 ミサは亜麻色のポニーテールでエメラルドグリ ーンのベレー帽を斜めに被り、額にゴーグルを装着している。
0227マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:12:52.31ID:oJKsS5Yl
 服は白のブラウスで胸に小さな紅いリボンが付き、スカイブルーのガーディガン。
0228マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:13:10.97ID:oJKsS5Yl
 コウモリの形をした黒いマントを羽織り、両手 に革の黒いグローブを嵌めている。
0229マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:13:29.70ID:oJKsS5Yl
 下はピンクのフレアスカートに太腿丈の黒いスパッツを穿き、膝から下は縞のニーソックス。
0232マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:14:27.83ID:oJKsS5Yl
「もう見てられないんだから。あたしに感謝しなさいよ? ネロ、あたし大活躍でしょ!?」
0233マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:14:48.10ID:oJKsS5Yl
 ミサは鼻と喉を鳴らしてオレを一瞥した後、胸の前で手を組み上目遣いでネロにラブラブビームを送る。
0235マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:15:24.99ID:oJKsS5Yl
 ネロはミサを無視して胡坐をかき、景色を眺めながら腕を組んで顎に手を当てて何やら考え込んでいる。
0241マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:17:15.67ID:oJKsS5Yl
 ミサはオレに舌を出して、両手を組んで鼻と喉を鳴らしてそっぽを向いた。
0243マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:17:54.63ID:oJKsS5Yl
「ああ、そうかよ。お前の恋が実るといいな。どっかの誰かさんと」
0245マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:18:34.07ID:oJKsS5Yl
 オレは「やってらんねえ」と呟き、ミサに背を向けて寝返る。
0246マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:18:53.86ID:oJKsS5Yl
 景色をぼんやり眺めていると、安心感と疲労で眠気が襲い、オレは欠伸をして目を擦る。
0247マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:19:12.36ID:oJKsS5Yl
その時、どこから飛んできたミサイルランチャーがオレのジャンボシャボン玉に当たり、卵が割れる様な嫌な音を立てて罅が入る。
0248マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:19:30.67ID:oJKsS5Yl
 オレのジャンボシャボン玉にミサイルランチャーが当たる度に罅が大きくなる。
0253マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:21:07.42ID:oJKsS5Yl
 敵の攻撃が止んだのを確かめると、オレは眠気が一気に覚め、何事かと思い慌てて飛び起きた。
0255マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:21:43.01ID:oJKsS5Yl
 オレは拳を振り上げ、ミサに食ってかかる。オレの拳が怒りで震えている。
0258マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:22:37.92ID:oJKsS5Yl
 ミサは胸の前で両手を合わせて、可愛くぺろっと舌を出した。
0259マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:22:56.48ID:oJKsS5Yl
「ごめんっ。カイトの分だけ、手加減しちゃった。ネロは特別だからね?」
0260マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:23:14.24ID:oJKsS5Yl
 ミサはネロにウィンクして、ネロにラブラブビームを送る。
0262マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:23:49.41ID:oJKsS5Yl
「はあ!? お前なに言ってんだよ!? ネロ、なんとか言ってやれよ!」
0263マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:24:08.57ID:oJKsS5Yl
 オレの指先が得体の知れない恐怖で震えている。手には嫌な汗を掻いている。
0265マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:24:45.13ID:oJKsS5Yl
 ネロはミサを無視して、デジタル腕時計を弄りながら、黒縁メガネのレンズでどこからミサイルランチャーが飛んできたか探索モードで必死に探っている。
0268マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:25:39.77ID:oJKsS5Yl
「おい、ミサ! オレのだけ手加減したのかよ!? お前、それでも幼馴染かよ!?」
0269マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:25:59.90ID:oJKsS5Yl
 オレはまた力強くミサを指さす。やっぱりミサが信じられず指先が震えている。
0271マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:26:36.64ID:oJKsS5Yl
 ミサは肩を竦め不気味に微笑んで、鬱陶しそうに手をひらひらさせる。
0272マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:26:55.33ID:oJKsS5Yl
「ネロとあたしは大丈夫だから。落ちるのはカイトね。短い間だけど、楽しかったわ」
0273マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:27:12.86ID:oJKsS5Yl
 ミサは瞼を閉じ、涙を指で拭う仕草をして、胸の前で十字を切った。
0276マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:28:07.72ID:oJKsS5Yl
 ミサに付き合いきれずに疲れて、そのまま深いため息が零れる。
0280マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:29:21.76ID:oJKsS5Yl
 オレは素早くネロを見ると、ネロの黒縁メガネのレンズに表示された3D立体地図が赤く点滅している。
0283マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:30:17.47ID:oJKsS5Yl
 その時、けたましく鳴きながら、オレたちの向こうと反対側から飛んできた二羽の大鷲。
0284マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:30:35.77ID:oJKsS5Yl
 大鷲はメタリックの骨格に眼が紅く、両翼の先端が太い筒状になっており、長い尻尾が生えている。
0285マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:30:54.13ID:oJKsS5Yl
 二羽の大鷲は回転しながらオレたちに近づき、それぞれ口を開けるとガトリングガンがあり、二羽の大鷲は口を開けたままガトリングガンを撃ってくる。
0290マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:32:30.91ID:oJKsS5Yl
 ネロを見るが、ネロのシャボン玉は攻撃を吸収して大丈夫みたいだ。
0296マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:34:19.84ID:oJKsS5Yl
 オレはミサとネロに訴える様に、シャボン玉の見えない壁を拳で叩く。
0299マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:35:14.30ID:oJKsS5Yl
 大鷲は勝ち誇ったように、両翼を真っ直ぐ前に突き出し、両翼の先端の筒からミサイルが発射された。
0307マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:37:42.43ID:oJKsS5Yl
 オレは諦めて両膝をシャボン玉の見えない床に突き、絶望に駆られ俯く。
0310マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:38:38.31ID:oJKsS5Yl
 大鷲のミサイル攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たり、攻撃音が遠くに聞こえる。
0312マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:39:16.39ID:oJKsS5Yl
 オレは両手の掌を床に突き、拳を握り締めて見えない床を叩く。
0313マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:39:36.83ID:oJKsS5Yl
 その間にも、オレのジャンボシャボン玉の罅割れが大きくなる。
0315マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:40:15.05ID:oJKsS5Yl
 瞼を閉じた。落ち着け。とにかく、考えるんだ。どうにかしないと。
0316マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:40:34.72ID:oJKsS5Yl
 その時、オレのジャンボシャボン玉は攻撃に耐えきれず、ついにガラスが割れた様に砕け散る。
0327マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:43:59.63ID:oJKsS5Yl
「こらあああああ! カイトおおおおお! なに諦めてんのよっ! あたしがカイトを助けるんだから! 幼馴染を見捨てたりしないわよ! 今行くから待ってなさいっ!」
0333マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:45:50.47ID:oJKsS5Yl
 オレの視界に、ミサがホバーボードの後ろの二本マフラーから激しく火を噴きながら、ホバーボードのエンジン全開でオレを追いかける姿が映る。
0334マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:46:07.04ID:oJKsS5Yl
 ミサの姿を見て、オレは鼻を鳴らし喉の奥で笑う。ミサに見捨てられたかと思ったぜ。
0335マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:46:24.09ID:oJKsS5Yl
 ネロとはぐれちまったな。あいつならなんとかするだろ。
0336マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:46:41.11ID:oJKsS5Yl
 その時、ミサの背後からけたましく鳴きながら 一羽の大鷲の魔物が急降下してくる。
0341マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:48:13.87ID:oJKsS5Yl
 ミサは鬱陶しそうに髪を掻き上げ、背後の魔物を無視してオレの降下スピードに追いつく。
0342マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:48:32.24ID:oJKsS5Yl
「魔物なんかどうでもいいわ! あんたがなんとかしてよ! あたしはあんたを助けるので手一杯なんだから! カイト、手を伸ばして!」
0345マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:49:29.73ID:oJKsS5Yl
 オレもミサに手を伸ばしながら、腰のホルスターに挿したオートマチック銃の柄に手をかける。
0346マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:49:55.84ID:oJKsS5Yl
 オレは舌打ちした。やっぱ、オレがなんとかしないとな。
0347マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:50:14.55ID:oJKsS5Yl
 大鷲の魔物はミサの背後で羽ばたきながら、長い尻尾の鋭い先端をミサの背中に向ける。
0349マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:50:53.61ID:oJKsS5Yl
 オレはミサに手を伸ばしつつ、腰のホルスターに挿したオートマック銃を抜く。
0350マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:51:12.71ID:oJKsS5Yl
 片目を瞑って大鷲の魔物に狙いを定め、オートマチック銃の引き金を引いて二三発撃つ。
0351マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:51:31.39ID:oJKsS5Yl
 三発目に撃った銃弾が大鷲の魔物の腹に命中し、銀色の粘着物が大鷲の魔物の腹にくっついた。
0352マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:51:52.65ID:oJKsS5Yl
 同時に大鷲の魔物の身体を青白い電気が包み込み、大鷲の魔物が麻痺して苦しそうに鳴きながら 逆さまに降下してゆく。
0353マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:52:13.74ID:oJKsS5Yl
 オレは青白い電気を包み込みながら降下してゆく大鷲の魔物を見下ろして口笛を吹いた。
0354マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:52:35.25ID:oJKsS5Yl
 オレはオートマチック銃を握った手で、額の汗を手の甲で拭う。
0355マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:52:56.07ID:oJKsS5Yl
「ふう。なんとかなったな。それにしても、この銃、なんなんだ?」
0357マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:53:35.55ID:oJKsS5Yl
 帝国騎士団からくすねた銃だが、騎士団はこんなもん使っているのか。
0359マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:54:13.11ID:oJKsS5Yl
 その時、もう一羽の大鷲の魔物がお腹を向けて急降下して来た。
0360マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:54:32.84ID:oJKsS5Yl
 そして、青白い電気を包み込みながら降下していた大鷲の魔物と接触して空中爆発が起きる。
0362マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:55:09.44ID:oJKsS5Yl
 あとちょっとでオレはミサの手を掴むところだったが、爆風でオレは回転しながら吹っ飛んだ。
0363マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:55:27.42ID:oJKsS5Yl
「うわっ」
熱気と破片が飛んできて、オレは顔の前を手で遮る。
0364マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:55:49.26ID:oJKsS5Yl
 凶器と化した破片が頬や腕、脇腹や太ももを掠めて皮膚が切れて怪我する。
0365マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:56:07.62ID:oJKsS5Yl
 オレは痛くて、「っつ」と思わず顔をしかめて声を漏らす。
0366マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:56:25.25ID:oJKsS5Yl
「ああもう! あとちょっとだったのに! 世話が焼ける男ね! こうなったら、魔法しかないわね! ウォーターポール!」
0368マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:57:01.95ID:oJKsS5Yl
 ミサが呪文を詠唱すると、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、オレの身体がジャンボシャボン玉の中で浮き上がる。
0369マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:57:20.38ID:oJKsS5Yl
 またこの魔法か、嫌な思い出しかないぜ。オレは顔をしかめ、心で愚痴を零す。
0374マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:58:53.35ID:oJKsS5Yl
 ミサが鬱陶しそうに髪を掻き上げ、ホバーボードを飛ばしてオレのジャンボシャボン玉に近づいてくる。
0375マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:59:12.03ID:oJKsS5Yl
「即席のウォーターボールよ。文句言わないでよ ! あたしの魔力、そんなにないんだから!」
0376マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 20:59:30.32ID:oJKsS5Yl
 ミサがジャンボシャボン玉の中に手を突っ込んで、オレに手を伸ばす。
0377マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 20:59:49.50ID:oJKsS5Yl
「いつまで持つかわからないわよ? また落っこちたい?」と、ミサは顔をしかめて冷たく言い放つ。
0378マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:00:09.27ID:oJKsS5Yl
 自分の手を早く掴めと言わんばかりに、シャボン玉の中に突っ込んだ手の指をひらひらと動かす。
0379マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:00:28.37ID:oJKsS5Yl
 魔法が使えないオレはミサの態度に苛立ち、頭の後ろで手を組む。
0381マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:01:04.56ID:oJKsS5Yl
 オレは舌打ちしてから、一安心してため息を零し、仕方なく嫌々ミサに手を伸ばす。
0382マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:01:23.53ID:oJKsS5Yl
 オレがミサの手を掴んだ瞬間、ジャンボシャボン玉が勢いよく弾けた。
0384マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:02:05.14ID:oJKsS5Yl
「やっと掴んだわよ。邪薩が入ったけど、まあいいわ……」
0385マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:02:20.77ID:oJKsS5Yl
 やれやれという感じで、ミサは瞼を閉じで肩を疎めて首を横に振る。
0389マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:03:36.86ID:oJKsS5Yl
 ミサは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにオレから顔を背けた。
0390マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:03:54.79ID:oJKsS5Yl
「べ、別にっ。ま、まあ、幼馴染だし? ネロに言われたし? それにしても、危機一髪だったわね」
0391マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:04:15.77ID:oJKsS5Yl
 ミサはオレから顔を背けたまま、額の汗を手の甲で拭う。
0397マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:06:44.48ID:oJKsS5Yl
「ねえ、ネロのこと考えてるの? ネロのことなら心配ないわよ? 後で合流しようって言ってたし。それに、ネロのハイテク装備もあることだし。なにも心配することないわよ」
0399マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:07:24.54ID:oJKsS5Yl
 やっぱ、ミサはオレの幼馴染だな。オレはミサの顔を見て微笑む。
0400マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:07:44.06ID:oJKsS5Yl
「そうか、ならいいんだ。ミサを巻き込んで悪かったな。お前、ネロと一緒に王都ガランに行くつもりだったんだろ?」
0401マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:08:02.28ID:oJKsS5Yl
 オレはミサのことはお見通しという感じで、ミサに歯を見せて笑った。
0403マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:08:44.95ID:oJKsS5Yl
「そうよ。あんたを放って、王都ガランでネロとデートしようと思ってたのに。デート当日になって、あんたが待ち合わせ場所に来て、禁断の森に行こうとか言い出すし。ほんと信じれない。せっかくお洒落してきたのに。おかげでデートが台無しよ。まさかネロがあたしとのデートをあんたに言ったとはねぇ、迂闊だったわ」
0404マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:09:04.51ID:oJKsS5Yl
 ミサはネロが信じられないという様に、また瞼を閉じて首を横に振る。
0411マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:13:04.55ID:oJKsS5Yl
 ミサはデートのこと根に持ってるのか、ミサの盛大なため息が聞こえる。
0417マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:15:47.86ID:oJKsS5Yl
 そのまま、ミサと顔を合わせるのが嫌でオレは俯いたまま。
0419マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:16:22.43ID:oJKsS5Yl
「少しはあたしの恋に協力してくれてもいいじゃない。カイトのバカッ」
0422マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:17:18.00ID:oJKsS5Yl
 その後、気まずい空気が流れ、オレとミサは黙ったままだった。
0423マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:17:37.39ID:oJKsS5Yl
 その時、ミサのホバーボードのマフラーから空 気が抜けた様な嫌な音を立てた。
0428マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:19:12.35ID:oJKsS5Yl
 ミサがホバーボードの上でバランスを崩すと同時に、ミサは背中のマントを開き滑空する。
0429マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:19:31.09ID:oJKsS5Yl
 ミサの足からホバーボードが離れ、オレは咄嗟 に片方の手でホバーボードを掴む。
0431マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:20:08.04ID:oJKsS5Yl
「今度は燃料が足りねえのか。災難続きだな。にしても、このホバーボード重いぞ」
0432マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:20:27.28ID:oJKsS5Yl
 オレはホバーボードを憎たらしく見つめる。機械の塊が生意気だな。
0433マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:20:46.93ID:oJKsS5Yl
 このホバーボード、何かの役に立つかも知れないからな。
0435マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:21:23.20ID:oJKsS5Yl
 マントを広げたミサは風に任せて、オレたちはゆっくりと優雅に飛んでゆく。
0436マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:21:42.39ID:oJKsS5Yl
 ミサがため息を零すのが聞こえ、オレはミサを見上げた。
0437マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:22:01.57ID:oJKsS5Yl
 お前、ため息が多いな。そんなにネロとデートが出来なかったことが悔しいのかよ。
0438マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:22:35.14ID:oJKsS5Yl
 なんかミサに悪いことしたな。今度、ミサの恋に協力してやるか。
0439マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:22:53.48ID:oJKsS5Yl
 ミサは風で髪をなびかせて、眼下に広がる景色にうっとりして堪能していた。
0440マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:23:13.95ID:oJKsS5Yl
「あーあ。思った以上に景色が綺麗で、この子の 燃料食っちゃったなあ。反省……ごめんね、ネロ」
0442マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:23:52.12ID:oJKsS5Yl
 おいおい。お前、ホバーボードの名前がネロとか病んでるな。聞いてて寒気がする。
0443マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:24:11.82ID:oJKsS5Yl
 オレはホバーボードでミサを殴ってやろうかと思ったがやめた。
0444マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:24:30.92ID:oJKsS5Yl
「お前が寄り道してるせいで、オレとネロは大変だったんだからな。ちったぁ反省しやがれ」
0445マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:24:47.20ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードを掴むオレの手が怒りと重さで震えている。
0447マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:25:24.92ID:oJKsS5Yl
「はあ、はあ....」
みるみるミサの顔色が悪くなり、ミサの額に汗が滲む。
0454マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:27:37.31ID:oJKsS5Yl
「ごめん、カイト。あたし、魔力を消費しちゃったみたい、 後は、お願い、ね....」
0459マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:29:26.70ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードを掴んでいる手を、ホバーボードを持ち上げて脇に挟み、ミサの手を両手で掴む。
0462マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:30:23.98ID:oJKsS5Yl
 ミサのパワーグローブのおかげで、ミサの体重をそんなに感じない。
0464マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:31:02.77ID:oJKsS5Yl
 幸いにも、下に大きな川が流れているのが小さく見える。
0465マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:31:23.73ID:oJKsS5Yl
 うまくいけば助かるかもな。川に落ちたとしても、川の深さがわからねえ。
0471マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:33:14.62ID:oJKsS5Yl
 オレは脇に挟んだホバーボードに目を落とし、ミサを掴む手に力を入れる。
0472マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:33:32.67ID:oJKsS5Yl
 ウォーターボールの魔力がまだ効いているのか、オレの身体は浮いていた。
0473マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:33:49.62ID:oJKsS5Yl
 ミサのパワーグローブから、ミサの魔力が伝わってくるのかもな。
0476マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:34:44.21ID:oJKsS5Yl
 くそっ。オレはホバーボードの重さに耐えられず、顔をしかめ、脇と手と額にも嫌な汗を掻いている。
0478マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:35:29.25ID:oJKsS5Yl
 ミサを掴む手が震え始め、脇を動かした隙に脇からホバーボードがするりと滑り落ちた。
0479マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:35:48.77ID:oJKsS5Yl
 重力の勢いで、風を切り裂きながら落ちてゆくホバーボード。
0481マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:36:29.39ID:oJKsS5Yl
 回転しながら落ちてゆくホバーボードに、オレはミサの手から片手を離して、ホバーボードに手を伸ばす。
0482マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:36:49.42ID:oJKsS5Yl
 オレは悔しくて歯を食いしばる。ミサ、すまねぇ。お前のホバーボードを手放しちまった。
0483マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:37:08.03ID:oJKsS5Yl
 オレはやるせなくなり、ホバーボードに伸ばし手を垂れて俯く。
0484マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:37:25.44ID:oJKsS5Yl
 諦めるのか? そんな簡単に。ミサの大事なホバーボードなのに。
0485マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:37:42.48ID:oJKsS5Yl
 ミサが好きなネロって名前のホバーボードだろ? ミサのお気に入りなんだろ?
0486マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:38:01.88ID:oJKsS5Yl
 垂れた手を握り締め。瞼を閉じて首を横に振る。いや、まだ終わってねぇ。
0487マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:38:20.58ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードに燃料が少し残ってるはずだ。その可能性に賭ける。
0488マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:38:40.58ID:oJKsS5Yl
 どうにかして遠隔操作すれば、ホバーボードを動かせるかもしれねぇ。
0489マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:39:01.96ID:oJKsS5Yl
 小さくなってゆくホバーボードに、オレは手を伸ばす。頼む、動いてくれ。
0490マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:39:22.85ID:oJKsS5Yl
 その間にも眼下に大きな川が近づいてくる。川の流れる轟音が聞こえる。
0491マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:39:40.82ID:oJKsS5Yl
 ぐずぐずしてられねぇ。このポンコツが! さっさと動きやがれ!
0492マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:39:58.00ID:oJKsS5Yl
 今にも川に落ちそうなホバーボードを、オレは黙って睨み据える。
0493マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:40:16.60ID:oJKsS5Yl
 その時、オレの首飾りのクリスタルが眩く青白い光を放つ。
0494マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:40:35.66ID:oJKsS5Yl
 オレは思わず青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。何が起こった?
0495マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:40:53.62ID:oJKsS5Yl
 眼下のホバーボードが川の水面に近づいた瞬間、ホバーボードが川の水面に浮く。
0496マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:41:13.69ID:oJKsS5Yl
 轟音とともに凄まじい水飛沫がホバーボードの周りに飛び散る。
0497マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:41:32.78ID:oJKsS5Yl
 主の声に応えるようにクリスタルが青白い光を放ちながら、オレとミサの身体がゆっくりとホバーボードに吸い寄せられてゆく。
0498マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:41:50.20ID:oJKsS5Yl
 オレはミサを抱きかかえながら、青白く光るクリスタルを掌に載せて、クリスタルをまじまじと見た。なんだ? 助かったのか?
0499マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:42:08.87ID:oJKsS5Yl
 そして、オレがミサをホバーボードの上に乗せようと思った直前。
0500マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:42:26.53ID:oJKsS5Yl
 急にミサのパワーグローブから火花が散って、ミサの身体が鉛りの様に重くなり、オレはミサを手放してしまう。
0502マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:43:05.31ID:oJKsS5Yl
 オレは川に流されまいと、慌ててホバーボードの上に両腕を載せてホバーボードにしがみつく。
0504マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:43:46.74ID:oJKsS5Yl
 オレの下半身がずぶ濡れになり、流されまいと足に力を入れる。
0505マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:44:04.98ID:oJKsS5Yl
 空中爆発で飛んで来た破片で太腿を切った傷口が沁みて、オレは顔をしかめる。
0506マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:44:29.61ID:oJKsS5Yl
 痛みを我慢して、オレは水面上に浮いたホバーボードからミサに手を伸ばす。
0508マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:45:15.17ID:oJKsS5Yl
 オレは吐き捨てるように、ホバーボードの上を拳で思いっきり叩いた。 
0509マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:45:35.63ID:oJKsS5Yl
 次の瞬間、ホバーボードは空気が抜けた様な間抜けな音を出し、ホバーボードが川に落ちて派手に水飛沫を上げた。
0510マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:45:54.03ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードが川に落ちた瞬間、オレは川の水を飲んだ。
0511マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:46:15.75ID:oJKsS5Yl
 空中爆発で飛んで来た破片で切った腕や頬の傷口が沁みて、オレはまた顔をしかめる。
0512マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:46:34.14ID:oJKsS5Yl
 手当しないとな。そんな思いを裏切るように、オレはホバーボードにしがみついたまま流されてゆく。
0513マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:46:54.99ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードを板代わりに、オレはホバーボードにしがみつきながら飲んだ水を吐いて咳き込む。
0514マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:47:14.71ID:oJKsS5Yl
 前髪を掻き上げてミサを見ると、川の流れが早く、ミサがどんどん流されてゆく。
0516マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:48:01.91ID:oJKsS5Yl
 このままじゃ、ミサが溺れ死ぬ。なんとかして助けねぇと。
0517マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:48:20.59ID:oJKsS5Yl
 オレはホバーボードの上で、川の水の冷たさに震えていた。
0519マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:49:00.83ID:oJKsS5Yl
 オレがホバーボードから離れたら、オレまで溺れてしまう。
0521マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:49:37.44ID:oJKsS5Yl
 ミサの数メートル先に、大きな尖がった岩が川から突き出している。
0522マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:49:55.20ID:oJKsS5Yl
 待てよ。ミサがあの岩に引っかかってくれれば、なんとかなりそうだ。
0523マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:50:19.66ID:oJKsS5Yl
 オレは震える手で川の水を手で必死に漕ぎながら、ミサの後ろに位置を調整する。
0524マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 21:50:37.79ID:oJKsS5Yl
 やがて、ミサは大きな岩に引っかかり、ミサの身体はうつ伏せのまま浮いている。
0526マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:51:19.26ID:oJKsS5Yl
 岩の周りは幸いにも浅瀬せで、川の流れも遅く、オレの腰くらいまで水の高さがある。
0528マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:51:56.95ID:oJKsS5Yl
 オレはミサを支えて肩に担ぎ、川底に足を取られよろけながら、オレはミサをホバーボードの上に載せる。
0529マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:52:13.86ID:oJKsS5Yl
 ミサの生死が気になって、オレは横になったミサの胸に耳を当てる。
0530マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:52:31.90ID:oJKsS5Yl
 鼓動どころか何の音も聞こえない。聞こえるのは自分の鼓動と川の流れる音だけ。
0531マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:52:50.26ID:oJKsS5Yl
 オレはミサの胸から耳を離し、もう一度ミサの胸に耳を当てる。
0532マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:53:10.57ID:oJKsS5Yl
 やっぱり、何も聞こえない。オレはミサの胸から耳を離し、絶望に駆られ俯く。
0535マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:54:07.80ID:oJKsS5Yl
 ミサは人形の様にぐったりして横になったまま動かない。
0536マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:54:25.95ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードからミサの腕が垂れて、ミサの手が川の水に落ちている。
0539マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:55:26.93ID:oJKsS5Yl
 オレはやるせなくなり俯く、ミサの足元のホバーボード上を拳で思いっきり叩く。
0542マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:56:22.03ID:oJKsS5Yl
 オレは顔を上げ、うろ覚えでミサの身体を仰向けにし、ミサの唇に自分の唇を重ねようとする。
0543マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:56:40.74ID:oJKsS5Yl
 ミサの白い顔を見て、オレは顔が火照る。なんでオレがミサとキスしなきゃならねぇんだ。
0544マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:56:59.60ID:oJKsS5Yl
 オレはミサの紫色の唇を見て躊躇い、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
0545マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:57:18.67ID:oJKsS5Yl
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。ミサ、目が覚めたらオレをぶん殴ってくれ。
0546マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:57:37.95ID:oJKsS5Yl
 オレは意を決し、瞼を閉じたまま、ミサとキスして人工呼吸する。
0547マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:57:57.51ID:oJKsS5Yl
 三秒くらいミサと濃厚なキスして、オレは恥ずかしくなり慌ててミサの唇から自分の唇を離して咳き込む。
0548マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:58:19.90ID:oJKsS5Yl
 これでいいのか? オレは口許を手の甲で拭う。次は心臓マッサージだな。
0549マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:58:42.23ID:oJKsS5Yl
 オレはミサを心臓マッサージしようとするが、ホバーボードが不安定で揺れる。
0550マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:58:59.92ID:oJKsS5Yl
 ミサを心臓マッサージしようとすると、今度はホバーボードが沈んでうまくいかない
0551マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:59:18.48ID:oJKsS5Yl
 ここじゃダメだ。早く陸に上がらないと。なんとかならねぇのか。
0553マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 21:59:57.75ID:oJKsS5Yl
 なんとなく、オレはミサの濡れた服に目がいってしまう。
0554マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:00:17.87ID:oJKsS5Yl
 ミサのフレアスカートから覗く生足を見て、オレは思わず生唾を飲み込み喉を鳴らす。
0555マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:00:36.59ID:oJKsS5Yl
 興奮して鼻血が出そうになり、慌てて鼻を押さえてミサから視線を逸らし、気まずくなって人差指で頬を掻く。
0556マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:00:54.88ID:oJKsS5Yl
 人差指で頬を掻きながら、横目で瞬きして、視線を戻しつつミサを見てしまう。
0557マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:01:13.72ID:oJKsS5Yl
 その時、ミサの腰のホルスターに銀色のリボルバー型フックショットが挿してあるのが目に止まった。
0558マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:01:43.17ID:oJKsS5Yl
 銃口の下に掌サイズの球形があり、球形の中にワイヤーが収まっている。
0559マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:02:03.54ID:oJKsS5Yl
 引き金を引くと、三角に尖ったワイヤーの先端が銃口から飛び出す仕組みだ。
0560マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:02:20.79ID:oJKsS5Yl
 フックショットか。こいつで川岸に生えてる樹に刺せば、なんとかなりそうだな。
0562マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:02:58.67ID:oJKsS5Yl
 オレはミサの変なところに目がいかないように瞼を閉じ、瞼を開けないように瞼に力を入れ、ミサの身体を手探りで触ってゆく。
0563マンセー名無しさん
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2020/09/16(水) 22:03:18.04ID:oJKsS5Yl
 その時、なにか柔らかい物に触れて、オレは思わず瞼を開けた。
0564マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:03:37.08ID:oJKsS5Yl
 なんだ? そう思いながら、オレの左手がミサの胸を掴んでいた。
0566マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:04:14.51ID:oJKsS5Yl
「ひっ」
オレは情けない悲鳴を上げて、ミサの胸から慌てて手を離す。
0567マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:04:33.08ID:oJKsS5Yl
 ばっちいとばかりに、オレは左手首を必死に振っている。
0569マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:05:11.53ID:oJKsS5Yl
 よ、よし、気を取り直していくぞ。オレは胸を撫で下ろして深呼吸する。
0570マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:05:30.63ID:oJKsS5Yl
 今度は顔を片手で覆い、指の間から片目を開け、ミサの腰のホルスターに挿しているリボルバー型フックショットに手を伸ばす。
0571マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:05:48.47ID:oJKsS5Yl
 ミサが起きやしないかと変に気になりながらも、オレはなんとかリボルバー型フックショットを抜き取った。
0572マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:06:08.78ID:oJKsS5Yl
 調子に乗ったオレはリボルバー型フックショットの引き金に人差指を通してリボルバー型フックショットを回し、鼻頭を人差指で得意げに擦る。
0573マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:06:28.11ID:oJKsS5Yl
 なにやってんだろ、オレは。こうしている間にも、ミサがあぶねぇってのに。
0574マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:06:47.93ID:oJKsS5Yl
 急に虚しくなってどっと疲れが出て、オレはがっくりと肩を落とす。
0575マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:07:08.19ID:oJKsS5Yl
 オレは顔を上げて額を手の甲で拭い、深く息を吐いて落ち着かせた。こりゃ寿命が縮んだな。
0576マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:07:31.14ID:oJKsS5Yl
 何故か嫌な汗を掻いているような気がしたが、川の水と変な汗が混じっているのかわからなかった。
0577マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:07:54.73ID:oJKsS5Yl
 オレは腰に手を当てて、銀色のフックショットをまじまじと見つめた。
0578マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:08:26.00ID:oJKsS5Yl
 頼むぜ。オレは片目を瞑り、銀色のフックショットを片手で構え、川岸に生えている樹の太い幹に狙いを定める。
0579マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:08:48.64ID:oJKsS5Yl
 引き金を引くと、勢いよく銃口からワイヤーが飛び出し、狙い通り樹の太い幹に刺さった。
0580マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:09:10.77ID:oJKsS5Yl
 ワイヤーを思いっきり引っ張ってみる。大丈夫そうだ。一発でうまく幹に刺さってくれた。
0582マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:09:54.04ID:oJKsS5Yl
 幹を睨んで、またフックショットの引き金を引き、ワイヤーをゆっくりと巻き取ってゆく。
0583マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:10:13.79ID:oJKsS5Yl
 ゆっくりとワイヤーが銃身に巻き取られてゆく中、川の流れが早くなり、オレは川に流されてゆく。
0584マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:10:31.37ID:oJKsS5Yl
 ワイヤーが伸びきってぎりぎりと嫌な音がする。不味いぞ、上手くワイヤーが刺さってなかったのか?
0585マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:10:50.80ID:oJKsS5Yl
 その時、ワイヤーは川の流れに耐えられなくなり、呆気なくワイヤーの先端が幹から抜ける。
0588マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:12:26.14ID:oJKsS5Yl
 オレの叫びも虚しく、オレは川の流れに身を任せるしかなかった。
0589マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:12:48.89ID:oJKsS5Yl
 くそっ。フックショットはダメだったか。オレは引き金を引いて、ワイヤーを巻き取る。
0590マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:13:10.84ID:oJKsS5Yl
 ぜってぇ、お前を助けるからな。オレはミサに振り向いて、ミサの脇腹を通してホバーボードを掴む手に力を入れる。
0593マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:14:07.90ID:oJKsS5Yl
 今日は災難だぜ。まさか、この先は滝じゃねえだろうな。
0596マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:15:04.61ID:oJKsS5Yl
 その時、両川岸にさっきの狼の様な魔物がオレを追いかけてくる。魔物は二匹。
0597マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:15:22.68ID:oJKsS5Yl
 メタリックの骨格の身体で眼が紅く、背中に装備した大きなマシンガン。
0599マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:16:03.21ID:oJKsS5Yl
 オレの傍でマシンガンの弾丸が川に落ち、すぐ傍でキャノン砲が川に落ちて爆発で川に穴が開く。
0601マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:16:38.56ID:oJKsS5Yl
 オレは息を吸って、ミサを押さえたまま川に潜って顔を隠す。
0602マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:16:57.28ID:oJKsS5Yl
 水中でマシンガンの弾丸がオレの頬を掠めたのか、類に痛みが走りオレは顔をしかめる。
0603マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:17:16.01ID:oJKsS5Yl
 川の流れが速くて息が続かず、オレは川から顔を出して大きく口を開ける。
0605マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:18:32.87ID:oJKsS5Yl
 ホバーボードにマシンガンの弾丸が命中したのか火花が散っている。
0607マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:19:08.59ID:oJKsS5Yl
 オレの流される速さに追いつけなくなった魔物は諦めて立ち止って首を振っているのが見えた。
0608マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:19:27.48ID:oJKsS5Yl
 魔物は踵を返して、樹の影に消える魔物の後ろ姿が小さくなる。
0609マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:19:48.16ID:oJKsS5Yl
 どんどん川に流され、川が曲がったりで気分が優れなくなる。やっぱり、滝があるのか?
0611マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:20:26.50ID:oJKsS5Yl
 オレの嫌な予感が当たり、辺りに轟音が響く。目の前に大きな滝が口を開けて迫っていた。
0612マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:20:45.60ID:oJKsS5Yl
 おいおい、あんな滝に落ちたら、今度こそ助からないぞ。
0613マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:21:05.61ID:oJKsS5Yl
 成す術もなく、オレとミサは滝に吸い込まれて滝に落ちた。
0614マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:21:25.92ID:oJKsS5Yl
 宙に放り投げ出されたオレは逆さまになってミサに手を伸ばす。
0616マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:22:04.81ID:oJKsS5Yl
 くそっ! ミサが死んじまう。どうにかなんねえのかよ! オレは悔しくて歯を食いしばる。
0617マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:22:24.25ID:oJKsS5Yl
 そうだ。さっきみたいに助けてくれよ! オレは小さくなってゆくミサに手を伸ばしたまま、胸のクリスタルを握り締める。
0619マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:23:04.97ID:oJKsS5Yl
 その時、胸のクリスタルが眩く青白く光る。オレは青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。
0620マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:23:25.90ID:oJKsS5Yl
 顔の前を手で遮る指の間からホバーボードが縦になってマフラーから火を噴き、真っ直ぐにミサ の元に飛んでゆくのが見える。さっきの魔物の攻撃でホバーボードが損傷して火花を散らしながら。
0621マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:23:46.44ID:oJKsS5Yl
 ミサに追いついたホバーボードはミサの身体の下に潜り込み、ホバーボードの上にミサの身体がうつ伏せに乗っかり、ゆっくりとホバーボードは下がってゆく。
0622マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:24:07.50ID:oJKsS5Yl
 オレはミサに親指を突き出す。頼むぜ、ネロ。 ミサを守ってくれ。
0623マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:24:27.28ID:oJKsS5Yl
 なんとかなるだろ。オレは安心してため息を零し、水飛沫を手で遮りながら辺りを見回す。
0624マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:24:47.32ID:oJKsS5Yl
 どっかにフックショットを引っかけられれば助かるかもしれねえ。
0626マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:25:28.27ID:oJKsS5Yl
 滝の裏の岩壁にフックショットを引っかけるのもいいが、滝の流れが早い。
0627マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:25:48.60ID:oJKsS5Yl
 他にフックショットを引っかけられるような岩や木がない。
0628マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:26:09.07ID:oJKsS5Yl
 やっぱ、近くに引っかけられるようなもんはねえか。そんな甘くねえよな。
0630マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:26:49.26ID:oJKsS5Yl
 オレは緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、滝の端の突き出た岩壁に向かってフックショットを構えて、フックショットの引き金を引く。
0631マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:27:09.79ID:oJKsS5Yl
 ワイヤー足りるか? けっこう岩壁まで距離あるな。オレは額に手を当てて、岩壁までの距離を確かめる。
0632マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:27:30.75ID:oJKsS5Yl
 銃口から勢いよくワイヤーが飛び出し、岩壁に突き刺さったフックショットにオレは引っ張られる。
0633マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:27:49.97ID:oJKsS5Yl
「岩壁に叩きつけられる! そこまで考えてなかったあああああ!」
0634マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:28:11.01ID:oJKsS5Yl
 オレは舌打ちして、フックショットを両手で構えて引き金を引く。
0635マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:28:30.51ID:oJKsS5Yl
 岩壁に突き刺さったワイヤーが抜けてワイヤーが巻き取られ、オレの身体が逆さまに滝壺に吸い寄せられてゆく。
0637マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:29:10.66ID:oJKsS5Yl
 最後にこいつを頼ることになりそうだ。不思議と死ぬ気がしねえ。
0640マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:30:07.61ID:oJKsS5Yl
 その時、滝の向こうから大きな翼が羽ばたく音が聞こえる。
0643マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:31:08.50ID:oJKsS5Yl
 オレの視界に白色の大きなドラゴンが羽ばたきながら、口から炎を吐き、物凄い速さでオレに近づいてくるのが映る。
0644マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:31:27.95ID:oJKsS5Yl
 白色ドラゴンの瞳は吸いこまれそうな透き通る 大きなサファイアブルーだった。まるで大きなサファイアブルーの宝石の様な瞳だ。
0645マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:31:47.99ID:oJKsS5Yl
 白色のドラゴンが火を噴いた熱気がオレを襲い 、オレは顔の前を手で遮る。
0646マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:32:07.85ID:oJKsS5Yl
 物凄い熱気でむわっとする。冷たかったオレの身体が温められる。
0647マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:32:28.10ID:oJKsS5Yl
 な、なんだよ、あいつ。魔物か? オレを捕まえる気なのか? それとも腹が減ってオレを食う気か?
0648マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:32:48.93ID:oJKsS5Yl
「ワハハハハッ! 感じる、感じるぞ! 久しいオーヴの力だ! ワタシは長い眠りから覚めたぞ!」
0649マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:33:08.46ID:oJKsS5Yl
 人語を操るよく通る声が近づいてきたと思ったら、白色ドラゴンがオレを一瞥して、白色ドラゴンの大きな影がオレの下を通り過ぎる。
0650マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/16(水) 22:33:27.85ID:oJKsS5Yl
 次の瞬間、ばさっと翼を広げるような大きな音がして、オレの背中がごつごつと硬い物に触れた
0651マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 00:26:27.44ID:RL3i+pF8
あれ?
とまってる
0653マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 01:02:50.18ID:Sub4zyK3
ちんぽこ
0654マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 01:03:10.77ID:Sub4zyK3
うんちぶり
0655マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 01:32:45.60ID:aSr1H5uT
 見上げると、白色の大きなドラゴンが仰向けになって両手でオレを抱いていた。
0656マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 01:33:02.33ID:aSr1H5uT
 白色ドラゴンの指の鋭い爪が視界に入り、オレはぞくりと寒気がしてぷるっと震える。
0658マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 01:33:35.44ID:aSr1H5uT
 オレは白色ドラゴンの腕の中で手足をバタバタさせて暴れた。
0659マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:33:52.31ID:aSr1H5uT
 まだクリスタルが青白く輝いているので、オレはクリスタルをそっと握り締めた。
0660マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:37:38.96ID:AZlD4T+W
 不思議と安心して落ち着き、大丈夫だと教えてくれている様な気がした。
0661マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:37:55.70ID:AZlD4T+W
 白色のドラゴンが身体をよじって、呆れたように大きな首を横に振る。
0662マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:38:12.46ID:AZlD4T+W
「やれやれ。無暗にオーヴを使い過ぎだ、マスターよ。お前は疲労の限界がきているはずだ、少し
0664マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:38:45.29ID:AZlD4T+W
 気持ち良さそうに両翼を羽ばたかせて、大きな滝から離れ、白色ドラゴンは川沿いをゆっくりと 飛んでゆく。
0665マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:39:01.89ID:AZlD4T+W
 その時、オレの眼下に川岸に寄せられてうつ伏せに倒れているミサが目に入る。
0666マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:39:18.39ID:AZlD4T+W
 ミサの傍にはホバーボードが裏返って火花が散っている。
0667マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:39:34.99ID:AZlD4T+W
 川岸の樹の影から現れた一人の黒装束が肩に掛けたマシンガンを構えてミサにゆっくりと近づいてゆく。
0671マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:40:40.78ID:AZlD4T+W
 肘が痺れてびりびりして、オレは痛みで肘を押さえて呻いた。
0672マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:40:57.33ID:AZlD4T+W
「倒れているあの子かい? ちょっと様子を見ようじゃないか」
0674マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:41:30.37ID:AZlD4T+W
 黒装束の男がミサを肩に担ぎ、ホバーボードを脇に挟んで、黒装束は旋回している白色のドラゴンを仰ぐ。 黒装束は顔が黒いフードで覆われ、口許も黒い布で覆っているため、性別がわからず、表情も見えない。
0675マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:41:47.24ID:AZlD4T+W
 やがて黒装束はミサを肩に担ぎ直して歩き出し 、奥の樹の影に消えた。
0676マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:42:04.10ID:AZlD4T+W
 白色のドラゴンが旋回をやめて羽ばたき、森の奥を見つめている。
0677マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:42:20.61ID:AZlD4T+W
「ふむ。近くに野営地があるみたいだね、テントが幾つか張ってある。そこの連中みたいだ、あの子を攫った奴は。どうするんだい?」
0678マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:42:37.11ID:AZlD4T+W
 白色のドラゴンが欠伸をして火を噴いた後、オレに訊いてきた。
0680マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:43:09.86ID:AZlD4T+W
 白色のドラゴンの視線の先に野営地があり、テントが幾つか張ってあった。
0681マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:43:26.38ID:AZlD4T+W
 野営地から白煙が昇って、風に乗っていい匂いがオレの鼻腔をくすぐる。
0683マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:44:00.41ID:AZlD4T+W
 そういえば、腹が減ったな。ミサが持ってきた菓子、全部食ったしな。
0684マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:44:17.15ID:AZlD4T+W
 ミサの奴、本当はネロとのデートで食うつもりだったんだろうけど。
0685マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:44:33.64ID:AZlD4T+W
 オレはお腹を擦るが、腹の虫は食いものをよこせと鳴き続ける。
0688マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:45:22.86ID:AZlD4T+W
 それにしても、こんなところに開けた場所があるなんて。
0689マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:45:39.22ID:AZlD4T+W
 そうだ。あいつらに訊いてみよう、ラウル古代遺跡のこと。何か知ってるはずだ。
0694マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:47:01.63ID:AZlD4T+W
 白色のドラゴンはオレを摘まんで、顔の前までオレを持ってくる。
0695マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:47:19.42ID:AZlD4T+W
「ワタシは反対だね。マスターの疲労が酷い。今野営地に行ったって死ぬだけさ。ワタシとお前で攻めるつもりかい? 冗談じゃないよ。敵の数が多い。よく考えな」
0696マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:47:35.86ID:AZlD4T+W
 白色ドラゴンは眉根を寄せて口を結び、白色ドラゴンの鼻息がオレに飛んでくる。
0697マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:47:52.29ID:AZlD4T+W
 白色ドラゴンの声が子守唄の様に、波の様に揺らいで聞こえる。
0702マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:49:15.59ID:AZlD4T+W
「オーヴを使ったにしちゃ、よく身体が持ったほうだ。大したもんだよ」
0706マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:50:20.79ID:AZlD4T+W
 どこか大きなテントの中で、頑丈な檻の中に閉じ込められているのか画面が左右に揺れる。
0707マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:50:37.02ID:AZlD4T+W
 テントの入り口からちらっと外が見えて、黒装束がライフルを肩に担いで通り過ぎる。
0713マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:52:14.44ID:AZlD4T+W
 ネロは檻を背に片足の膝を曲げて檻に凭れて座り込み、片足の膝を曲げた膝の上に腕を載せている。
0715マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:52:47.08ID:AZlD4T+W
 やがて黒縁メガネをゆっくり外して、ジャケットの内ポケットから取り出した布でメガネのレンズを拭いている。
0716マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:53:03.39ID:AZlD4T+W
 ネロはジャケットの内ポケットに布を突っ込み、黒縁メガネを片手で掛ける。
0717マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:53:19.65ID:AZlD4T+W
『ボクとしたことが油断した。ミサの魔法が消えて、敵の野営地に落ちるとは。カイト、お前が頼りだ』
0718マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:53:35.90ID:AZlD4T+W
 ネロは顔を上げて後ろ頭を檻に凭れ、物思いに耽って何故か鼻で笑った。
0728マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:56:18.51ID:AZlD4T+W
 女は髪が雪の様に白いミディアムヘアで肩に髪がかかるくらい。
0729マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:56:34.83ID:AZlD4T+W
 整った目鼻立ちで、瞳は吸い込まれそうなサファイアブルー。
0730マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:56:51.27ID:AZlD4T+W
 耳に蒼い滴の形をした透明なクリスタルのピアスを付けて、風でピアスが小さく揺れている。
0731マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:57:07.55ID:AZlD4T+W
 服は長袖の青コットンのロリータクラシックドレスで黒いショートブーツを履いている。
0733マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:57:39.99ID:AZlD4T+W
 女はオレの顔を不思議そうに覗き込み、両手を腰に当てて不気味に歯を見せて笑った。
0734マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:57:56.38ID:AZlD4T+W
「うわっ!」
オレは驚いて慌てて上半身を起こす。葉っぱデザインの薄い毛布がオレの上半身からずり落ちる。
0735マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:58:12.80ID:AZlD4T+W
 どうやら、オレは大きな切り株の上で寝ていたらしい。木の香りがする。振り向くと木の枕がある。
0736マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:58:29.04ID:AZlD4T+W
 なんだ、この枕。不思議に思い木の枕を人差指で触ってみると、意外にふわふわで柔らかい。
0738マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:59:01.64ID:AZlD4T+W
 その時、頭痛がしてオレは顔をしかめて額を手で押さえる。
0741マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 01:59:50.62ID:AZlD4T+W
 女は腕の前で両手を組み、勝ち誇ったように仁王立ちして喉の奥で笑っている。
0742マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:00:07.03ID:AZlD4T+W
「オーヴに選ばれし者にしては、まだまだ力の使い方がなっておらんの。お前はあれから二時間も気を失っておったんじゃ。無理もないわい」
0744マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:00:39.47ID:AZlD4T+W
 オレ額を手で押さえて顔をしかめながら女を睨み据える。
0747マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:01:28.37ID:AZlD4T+W
 女は馬鹿にしたように胸の前で両手を組んだまま、鼻と喉を鳴らして笑う。
0751マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:02:33.40ID:AZlD4T+W
「……白いドラゴンか? お前、人間に姿を変えたのか? 冗談だろ」
0752マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:02:49.77ID:AZlD4T+W
 頭痛が治まり、オレは切り株の上に胡坐をかいて、太ももの上に肘を突いて頬杖を突き鼻で笑う。
0755マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:03:39.38ID:AZlD4T+W
「そうじゃ。それより、切り株ベッドの寝心地はどうじゃ? 木の枕も最高じゃろ?」
0759マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:04:28.97ID:AZlD4T+W
 ふと腕の掠り傷が治っていることに気付き、腕の掠り傷があったところをまじまじと見つめる。
0762マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:05:18.38ID:AZlD4T+W
 首を傾げて毛布を捲ると、太ももの掠り傷も治っている。
0763マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:05:35.03ID:AZlD4T+W
 唸りながらシャツを捲って脇腹を見ると、脇腹の傷も治っている。
0764マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:05:51.59ID:AZlD4T+W
 これも、こいつの力なのか? オレは胸のクリスタルを掌に乗せて、そのままクリスタルを握り締める。
0766マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:06:24.82ID:AZlD4T+W
「あの子たちのことじゃが……野営地で頑丈な檻に監禁されておる。警備も厳しい。迂闊には手を出せん」
0767マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:06:41.68ID:AZlD4T+W
 気まずそうに女はオレから顔を背け、オレに横目で瞬きしながら人差指で頬を掻いている。
0773マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:08:20.32ID:AZlD4T+W
 拳で切り株ベッドを叩き、オレは歯を食いしばって女を睨み据える。
0774マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:08:36.86ID:AZlD4T+W
 女は頭の後ろで手を組み、木のテーブルの上に乗っている土鍋に顎をしゃくる。
0775マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:08:53.25ID:AZlD4T+W
「それより、腹が減っておるじゃろ? キノコカレー食うか? 美味いぞ?」
0776マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:09:09.85ID:AZlD4T+W
 女は鼻歌を歌いながらオレの傍までやってきて、オレに微笑んで手を差し伸べる。
0777マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:09:26.29ID:AZlD4T+W
 オレは女の手を払いのけて女の襟首を掴み、女に顔を近づけて女を睨み据える。
0778マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:09:42.85ID:AZlD4T+W
「なんでミサとネロを助けなかった!? お前なら助けられただろ!? ミサとネロはな、オレの大事な幼馴染なんだよ!」
0779マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:09:59.45ID:AZlD4T+W
 その時、オレのお腹の虫が盛大に鳴り、オレは参ったとばかりに腹を手で押さえる。
0780マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:10:16.11ID:AZlD4T+W
 女も負けじと胸の前で両手を組んでオレを睨み据え、馬鹿にしたように鼻と喉を鳴らして笑う。
0781マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:10:33.13ID:AZlD4T+W
「助けてやったのに、その態度はなかろう? それとも、あのままお前は滝に落ちていたらどうなっていた? 言っておくが、わらわはお前をオーヴの主に認めたわけではない。わらわは、お前がオーヴの持ち主に相応しいか試しておるんじゃ。わかるか? そのオーブは使い方を間違えれば世界が滅ぶ品じゃ」
0782マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:10:49.66ID:AZlD4T+W
 女は挑発するように腕を組んだまま胸のクリスタルを指さす。
0783マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:11:06.09ID:AZlD4T+W
 オレは乱暴に女の襟首を掴んだ手を離して、女から顔を背けて舌打ちする。
0784マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:11:22.72ID:AZlD4T+W
「腹が減った。キノコカレー食わせろ、美味いんだろ? 聞きたいことが山ほどあるんだ。食ったら聞かせてもらうぞ」
0785マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:11:39.32ID:AZlD4T+W
 オレは切り株ベッドから立ち上がると、両手をポケットに突っこんで大股で木のテーブルに向かう。
0787マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:12:12.36ID:AZlD4T+W
「わかればよろしい。答えられる範囲で答えようぞ。ではでは、キノコカレー召し上がるとよい」
0788マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:12:28.95ID:AZlD4T+W
 女は小走りでオレを追い越し、木のテーブルに置いてある土鍋の蓋を両手で取り、蓋を引っくり返して木のテーブルの上に置く。
0789マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:12:45.50ID:AZlD4T+W
 土鍋の蓋が暑かったのか、「あちぃ!」と叫んで、手首を押さえて掌に息を何度も吹き、手首を振ったり手を必死に冷ましている。
0791マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:13:18.52ID:AZlD4T+W
 土鍋のキノコカレーから湯気が盛大に上がって、美味しそうなキノコカレーの匂いが漂う。
0792マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:13:35.06ID:AZlD4T+W
 オレは片手の掌を木のテーブルに突いて、キノコカレーの匂いを嗅ぐ。
0795マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:14:24.53ID:AZlD4T+W
 キノコカレーを見て生唾を飲み込んで喉を鳴らし、口許に垂れた涎を手で拭う。
0796マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:14:41.08ID:AZlD4T+W
 キノコカレーはジャガイモ、ニンジン、タマネギ、一口サイズの肉? たぶん、これがキノコなんだろ。
0797マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:14:57.65ID:AZlD4T+W
 さらに挽肉、ナス、トウモロコシ、ルーの上にちょこんと四角いバターが添えられている。
0799マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:15:30.52ID:AZlD4T+W
「いただきます!」と、オレは手を合わせて、スプーン置きに置かれた木のスプーンを左手で握る。
0800マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:15:46.99ID:AZlD4T+W
 まずは気になった一口サイズのキノコを木のスプーンに乗せて食べてみる。
0801マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:16:03.55ID:AZlD4T+W
 キノコは肉厚で弾力があり、少し甘味がある不思議な味だった。肉の食感に似ている。
0802マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:16:19.92ID:AZlD4T+W
 オレはキノコを飲み込んだ後、あまりの美味さに呻った。
0804マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:16:52.79ID:AZlD4T+W
 オレは木のスプーンを忙しなく動かして、キノコカレーを口に運ぶ。
0805マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:17:09.29ID:AZlD4T+W
 勢いよくキノコカレーを食ったため、ルーを飲み込んだ後に喉を詰まらせ咽る。
0807マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:17:42.42ID:AZlD4T+W
「なんじゃ。もっとゆっくり食べんか。ほれ、これを飲め」
0808マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:17:58.94ID:AZlD4T+W
 女が魔法瓶を取って木のコップにオレンジ色の液体を注いで、オレにオレンジ色の液体が注がれた木のコップを差し出す。
0811マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:18:48.49ID:AZlD4T+W
 訝しげに首を傾げるも、オレは眉根を寄せて匂いを嗅いでオレンジ色の液体を恐る恐る口に運ぶ。
0813マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:19:21.61ID:AZlD4T+W
 あまりにも冷たくて美味くて、ごくごくと喉を鳴らして飲み干す。
0815マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:19:54.54ID:AZlD4T+W
「ぷは〜! なんだこれ、美味いじゃねぇか! ジュースか?」
0816マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:20:11.13ID:AZlD4T+W
 オレは口許を手で拭いながら顔を上げて、隣で腰に手を当てて立つ女に訊く。
0818マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:20:44.06ID:AZlD4T+W
「リップルの実の果汁ジュースじゃ。フルーティで甘味と少し酸味があって美味いじゃろ?」
0819マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:21:00.54ID:AZlD4T+W
 女がポケットからなにやら取り出し、掌に乗った小さなみずみずしい桃色の実を自慢げにオレに見せる。
0820マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:21:17.10ID:AZlD4T+W
「これがリップルの実じゃ」と言って、小さな桃色の実をオレに突きつける。
0821マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:21:33.67ID:AZlD4T+W
 オレは女の掌から乱暴に桃色の実を取って、茎を摘まんでまじまじと見つめる。
0823マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:22:06.68ID:AZlD4T+W
 オレはリップルの実を見ながら感心して頷き、顎に手を当てて擦りながら「なるほど」と呻る。
0825マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:22:39.56ID:AZlD4T+W
 女は瞼を閉じて人差指を突き出し、人差指を小さく左右に振っている。
0826マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:22:56.17ID:AZlD4T+W
「この森は食材が豊富じゃからの。リップルの実は高い樹に実のるんじゃ。栄養もあるから、森の動物たちの好物になっておる」
0828マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:23:29.29ID:AZlD4T+W
 オレはリップルの実を木のテーブルの上にそっと置いた。
0829マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:23:45.72ID:AZlD4T+W
「なるほどな。それより、お前誰なんだよ? すげぇ今更だけど」
0830マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:24:02.24ID:AZlD4T+W
 オレは片手で肩を竦めて頬杖を突き、隣の女を見上げながらキノコカレーを口に運ぶ。 
0832マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:24:35.24ID:AZlD4T+W
 喉が渇いて魔法瓶を取り、木のコップにリップルジュースを注ぎ、ごくごくとリップルジュース飲む。
0833マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:24:51.70ID:AZlD4T+W
 女はオレを見下ろして胸を張り、片手を腰に当てて拳で胸を叩く。
0834マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:25:08.53ID:AZlD4T+W
「わらわはラウル古代遺跡の番人ディーネじゃ。魔力でドラゴンと人の姿に変えることができる。そのオーヴはかつてラウル帝国の古代王が身に着けていた物じゃ。わらわは古代王に仕えておった。この森は遥か昔、ラウル帝国じゃったんじゃ。今となっては呪いですっかり深い森になってしもうたのう」
0835マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:25:25.09ID:AZlD4T+W
 オレはキノコカレーを食べる手を休めて、木のテーブルに両肘を突いて胸のクリスタルを掌に乗せた。
0836マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:25:41.84ID:AZlD4T+W
「ふーん。古代王のオーヴにラウル帝国、おまけに呪いねぇ。なんでオレがオーブの持ち主になったんだよ? こいつは爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したんだぞ」
0837マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:25:58.28ID:AZlD4T+W
 オレは掌のクリスタルを指さして、ディーネを横目に瞬きする。
0838マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:26:14.77ID:AZlD4T+W
 ディーネは眉根を寄せて、訝しげに首を傾げて胸の前で腕を組んで唸っている。
0839マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:26:31.62ID:AZlD4T+W
「オーヴはラウル古代遺跡の最深部の台座に嵌めてあったはずじゃが……お前の爺さんが持ち去ったのかの。どうも、わらわは長い眠りから覚めたばかりで記憶が曖昧じゃ……それに、なんでわらわは封印されてたんじゃろ? ああもう、訳がわからんわい!」
0840マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:26:48.18ID:AZlD4T+W
 ディーネはぽかぽかと両手で頭を叩いて、頭を両手でくしゃくしゃとかきむしっている。
0841マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:27:04.80ID:AZlD4T+W
 もしかして、爺ちゃんは悪い奴らに脅されて、ラウル古代遺跡の最深部からオーブを持ち去ったのか?
0842マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:27:21.41ID:AZlD4T+W
 なんのために? わからない。ってことは、爺ちゃんはオーブを悪い連中から隠した?
0843マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:27:37.95ID:AZlD4T+W
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。結局、爺ちゃんはオレに何も言わずに逝ってしまった。
0844マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:27:54.40ID:AZlD4T+W
 オレにどうしろってんだよ。オレは掌のクリスタルを握り締めた。
0846マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:28:27.53ID:AZlD4T+W
 オレは思わず顔を上げると、気付かなかったが青白いドームの障壁にひび割れが生じている。
0847マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:28:44.06ID:AZlD4T+W
 結界が張ってあったのか? なんのために? もしかして、オレたちを襲った魔物から守るためか?
0848マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:29:00.54ID:AZlD4T+W
 どすんと重い地響きが響き、魔法瓶とコップと土鍋が踊った。遠くでキャノン砲を撃つ音が聞こえる。
0849マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:29:17.11ID:AZlD4T+W
 青白いドームの障壁のひび割れが大きくなってゆく。結界が壊れるのも時間の問題だな。
0851マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:29:50.08ID:AZlD4T+W
 といいつつも、オレはキノコカレーを食いつつ、リップルジュースを飲みながら、のんびりと結界を見上げる。
0852マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:30:06.63ID:AZlD4T+W
オレはキノコカレーを食いながら、ディーネを横目で訝しげに見る。
0853マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:30:23.21ID:AZlD4T+W
 ディーネは腰に両手を当てて青白いドームを見上げ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
0854マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:30:39.71ID:AZlD4T+W
「やれやれ。ハンターのことを忘れておったわい。ハンターどもがわらわの結界を壊そうとしておる」
0855マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:30:56.22ID:AZlD4T+W
 その時、遠くで獣の咆哮が聞こえ、凄まじい音波が飛んで来てオレは慌てて両耳を塞ぐ。
0857マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:31:29.33ID:AZlD4T+W
 ディーネは腕を組んで片手で肩を竦め、獣の咆哮が聞こえた方に顎でしゃくる。
0858マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:31:45.83ID:AZlD4T+W
「なんじゃ? ハンターのことを説明するのか? それとも、状況を説明するのか?」
0859マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:32:02.47ID:AZlD4T+W
 やれやれという感じでディーネはうなだれ、両手を垂らして横にぶらんぶらんと振って遊んでいる。
0860マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:32:18.95ID:AZlD4T+W
 オレは地響きや獣の咆哮を無視して、キノコカレーを食い始める。
0862マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:32:52.08ID:AZlD4T+W
「さっきの咆哮、オレが遭った魔物よりも図体がでけぇんじゃねぇの? ハンターがなにかしんねぇけど。状況はヤバそうだ」
0863マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:33:08.76ID:AZlD4T+W
 ディーネが指を弾いて鳴らすと、木のテーブルの上に黒革ベルトに挿した、金と銀のオートマチック銃と肩掛けの鞘に収められた剣が現れた。
0864マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:33:25.36ID:AZlD4T+W
 オレはキノコカレーを食い終わって、土鍋の中に木のスプーンを放り込む。お腹を擦りながらディーネに振り向く。
0865マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:33:41.87ID:AZlD4T+W
 ディーネはお手上げという感じで、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
0867マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:34:15.21ID:AZlD4T+W
「お前もみたじゃろ? 凶暴な魔物を。あれは古代人が造ったラウル帝国を守る魔物じゃ。今となってはプログラムが暴走して姿まで変えて厄介なことになっておる。禁断の森に侵入した者を狩るハンターとなってしまった。あいつら、ちっともわらわを認識せん。困ったことになったわい」
0868マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:34:31.61ID:AZlD4T+W
 ディーネが忌々しげに音のする方を指さして舌を出し、頭をぽかぽかと両手で叩く。
0871マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:35:21.55ID:AZlD4T+W
 腹が満たされたのか急に眠気が襲って、オレは欠伸をして涙目でディーネを横目で見る。
0873マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:35:54.53ID:AZlD4T+W
「うーん。それは、単に腹が空いたからじゃろう。仲間を喰うことであやつら力が増すからのう。味を覚えたんじゃろ」
0876マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:36:44.09ID:AZlD4T+W
「図体がデカいのが相手となるとヤバいな。ディーネ、結界はどれくらい持つんだ?」
0877マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:37:00.62ID:AZlD4T+W
 オレは顔を上げて顎から手を離し、ディーネに振り向く。
0879マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:37:33.81ID:AZlD4T+W
「さあの。今のところ持っておるが……ただ、あやつら結界を壊せずにお怒りみたいじゃ。うーむ。どうにかして、わらわをあやつらに認識させればいいんじゃがのう……」
0880マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:37:50.28ID:AZlD4T+W
 ディーネはつまらなそうに後頭部で手を組んで空を仰ぐ。
0881マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:38:06.86ID:AZlD4T+W
 ディーネをハンターに認識させる? そうすりゃ、追いかけてこないのか?
0883マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:38:39.97ID:AZlD4T+W
 そうか、その手があったか。どうやってあいつらを味方につけるんだよ?
0884マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:38:56.48ID:AZlD4T+W
 自分で言っておいてわけわかんねぇ。オレは両手で頭をくしゃくしゃにした。
0886マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:39:29.50ID:AZlD4T+W
「なあ。どうにかしてハンターを味方にすれば、野営地を奇襲してミサとネロを救えるんじゃないか?」
0888マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:40:02.52ID:AZlD4T+W
 ディーネは顔を輝かせて、閃いたとばかりに掌の上に拳で叩く。
0889マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:40:19.12ID:AZlD4T+W
「それじゃ! あやつらのプログラムを書き換えて、わらわたちを認識させればいいんじゃ! でかしたぞ!」
0890マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:40:35.72ID:AZlD4T+W
 ディーネが嬉しそうに顔を綻ばせてオレの元に小走りで寄り、オレの頭を両手でくしゃくしゃにして頬擦りする。
0892マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:41:08.87ID:AZlD4T+W
 ディーネはオレから離れて木のテーブルに掌を突いて、勝ち誇ったように喉の奥で笑ってオレを見下ろす。
0893マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:41:25.44ID:AZlD4T+W
 オレは木のテーブルに頬杖を突いて、片手で肩を竦めた。
0895マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:41:58.37ID:AZlD4T+W
 興味なさそうにオレは横目でディーネを睨み口を歪ませる。
0896マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:42:15.05ID:AZlD4T+W
 ディーネは掌を木のテーブルに突いたまま、顔を綻ばせて指を弾いて鳴らす。
0897マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:42:31.76ID:AZlD4T+W
 すると、土鍋と魔法瓶と木のコップが消えて代わりに黒革ベルトに挿した金と銀のオートマチック銃と、斜め掛けの鞘に収められた剣が現れる。
0898マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:42:48.33ID:AZlD4T+W
 片手を腰に当てて、オレに親指を突き出して歯を見せて笑う。
0899マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:43:05.01ID:AZlD4T+W
「ハンターと戦うのにやわな銃は命取りじゃからな。銃はわらわからのプレゼントじゃ。それにしても、今の時代の剣は随分な業物じゃのう。感心じゃわい」
0900マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:43:21.51ID:AZlD4T+W
 ディーネは両手を腰に当てて木のテーブルに置かれた鞘を見て頷き、後頭部で手を組んで呻る。
0901マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:43:38.14ID:AZlD4T+W
 オレは木のテーブルに両手の掌を突いて椅子から勢いよく立ち上がった。
0902マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:43:54.65ID:AZlD4T+W
「なんだよ、これ!? ハンターを味方につけるのに戦えってか!? 冗談じゃねぇぞ!」
0903マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:44:11.24ID:AZlD4T+W
 オレは金と銀のオートマチック銃を指さして、両手の拳を木のテーブルに叩く。
0905マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:44:44.20ID:AZlD4T+W
「じゃ、どうするんじゃ? お前はこのまま逃げるのか? 何もせずにミサとネロを見捨てる気か?」
0907マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:45:17.30ID:AZlD4T+W
 オレの眼が動揺でさざ波の様に揺れる。やがて俯いて拳を握り締める。 
0908マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:45:34.17ID:AZlD4T+W
「オレは……ミサとネロを見捨てる気なんかねぇ。ただビビッてただけだ。いつもミサとネロがいたからな。ディーネ、手を貸せ。あいつらにたっぷり仕返しするぞ。もしあいつらを味方につけたら、オレをオーヴの主と認めろよ?」
0909マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:45:50.64ID:AZlD4T+W
 オレは顔を上げて斜め掛けの鞘をゆっくりと肩に斜め掛けする。
0910マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:46:07.12ID:AZlD4T+W
 肩を動かして、ゆっくりと鞘から剣を抜き、刀身に映るオレをまじまじと見つめる。
0911マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:46:23.76ID:AZlD4T+W
 意を決して剣を鞘に収め、金と銀の銃を見てオレは腕を組んで首を傾げる。
0912マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:46:40.26ID:AZlD4T+W
 剣は騎士団からくすねた剣みたいだけど、銃は騎士団からくすねた銃じゃないな。
0913マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:46:56.73ID:AZlD4T+W
 それに、オレはミサのフックショット川に落としたか? 
0914マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:47:13.21ID:AZlD4T+W
 オレは腕を組んだまま、瞼を閉じて首を横に振る。まあいいか。
0916マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:47:46.43ID:AZlD4T+W
「やる気になったみたいじゃのう。よかろう、あやつらを味方につけることができたら、お前をオーヴの主と認めよう」
0917マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:48:02.98ID:AZlD4T+W
 オレはディーネに振り向くと、ディーネは顔を綻ばせて「うんうん」と頷いていた。
0918マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:48:19.45ID:AZlD4T+W
 オレは舌打ちして、ディーネを無視して黒革ベルトを腰に巻く。
0919マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:48:36.00ID:AZlD4T+W
「オレをオーヴの主と認めたわけじゃないのに、なんで武器なんかくれるんだよ。ったく、わけわかんねぇ」
0921マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:49:09.20ID:AZlD4T+W
 オレはベルトに挿した金のオートマチック銃を抜いて、片目を瞑って片手でオートマチック銃を樹に構える。
0922マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:49:25.77ID:AZlD4T+W
 金のオートマチック銃をベルトに挿して、今度は銀のオートマチック銃を抜いみる。
0923マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:49:42.41ID:AZlD4T+W
 銀の銃はフックショットだった。形がミサのフックショットに似ているが、こっちの方が高性能そうだ。
0924マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:49:58.87ID:AZlD4T+W
 オレは肩を回して、屈伸したり、腕を伸ばしたり体操した。
0925マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:50:15.54ID:AZlD4T+W
 ディーネは腕を組んで、訝しげな目つきで体操するオレを見下ろす。
0926マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:50:32.22ID:AZlD4T+W
「どうやってハンターども味方につけるんじゃ? まさか考えてないとか言うんじゃないじゃろな?」
0927マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:50:48.76ID:AZlD4T+W
 ディーネはオレの傍に寄ってきてふふんと喉で笑い、腰を回すオレの脇腹を肘で小突く。
0928マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:51:05.21ID:AZlD4T+W
 オレはディーネを無視して、鞘から剣を抜いて素振りする。
0929マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:51:21.67ID:AZlD4T+W
「それができたら苦労してねぇよ。って、ディーネちけぇよ! そんなに斬られてぇか!」
0930マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:51:38.23ID:AZlD4T+W
 オレは何故か顔が火照り、鼓動が高まり、ディーネを近づけさせまいと剣を振り回す。
0932マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:52:11.30ID:AZlD4T+W
 オレは気まずそうに頬を人差指で掻いて、剣先をしっかりとディーネに向ける。
0934マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:52:44.26ID:AZlD4T+W
 オレは驚いて手から剣が滑り落ちて、剣が地面に落ちる。
0935マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:53:00.90ID:AZlD4T+W
 オレが屈んで地面に落ちた剣を拾おうとした時、体当たりするような轟音と衝撃波がオレを襲う。
0936マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:53:17.48ID:AZlD4T+W
 オレは青白いドームの障壁を見上げて、剣を拾い上げて鞘に収める。
0937マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:53:34.12ID:AZlD4T+W
「そろそろ向こうも本気みたいだぜ? 仲間でも呼んできたんじゃねぇの? ディーネ、さっさとドラゴンに変身しろよ」
0938マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:53:50.60ID:AZlD4T+W
 オレは腕を組み、ディーネを睨んで鼻と喉を鳴らして笑った。
0939マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:54:07.06ID:AZlD4T+W
 ディーネは腕を組んでそっぽを向き、鼻と喉を鳴らして笑う。
0940マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:54:23.47ID:AZlD4T+W
「わかっとるわい。せいぜい、振り落されんように気を付けることじゃ」
0941マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:54:40.06ID:AZlD4T+W
 ディーネはびしっとオレに指さすと、片方の指を弾いて鳴らす。
0942マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:54:56.61ID:AZlD4T+W
 すると、ディーネの身体がぼんっと音を鳴らして白い煙に包まれる。
0944マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:55:29.66ID:AZlD4T+W
 数秒後に風が舞い、白い煙の中から両翼を広げて二本足で立った白色のドラゴンが現れた。

☆続く☆ 
0945マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:55:47.69ID:AZlD4T+W
おまけ:魔物の正体終了後の雑談コーナー ゲスト:カイト



作者:今回はカイトくんにあらすじのナレーションをお願いしました。

カイト:新エピソードも十話が近いことだし、作者が何か新しいことをしたいとかで、オレにオファーしてきやがった。

作者:もちろんギャラは払いますよ。カイトくん、ギャラはなにに使うんですか?

カイト:そうだな。いくらか親にあげて、あとは好きなものを買いたいな。

作者:おお、親孝行ですね! 因みに何買うんですか?

カイト:そうだな、PS4の本体とか?

作者:世界設定は異世界のアルガスタだ!そんなもん売ってねぇよ!(突っ込みの平手チョップ)

カイト:つうわけで、次回も読んでくれよな!

作者:えっと……というわけで、本番終了後の雑談コーナーでした! 次回もお楽しみに!
0946マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:56:08.31ID:AZlD4T+W
ディーネは炎を吐いて火の粉が舞い、両手を地面にどすんと突いた。
0947マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:56:24.83ID:AZlD4T+W
 間抜けなことに火の粉がディーネの翼に降って、ディーネの翼に火が点く。
0948マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:56:41.48ID:AZlD4T+W
 ディーネは翼に点いた火を消そうと必死に翼を羽ばたかせたり、翼に振り向いて鼻息を吹いたりして暴れている。
0949マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:56:57.93ID:AZlD4T+W
 オレはそんなディーネを見て、腰に手を当てて額に手を当て、瞼を閉じてやれやれと首を横に振る。
0950マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:57:14.45ID:AZlD4T+W
「なにやってんだよ。無暗に炎吐くからだろ。火事になるだろが」
0952マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:57:47.57ID:AZlD4T+W
 ディーネが暴れる度に地響きと、翼を動かす度に悪戯に風が舞う。
0954マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:58:20.53ID:AZlD4T+W
 ディーネが地面を左に右に転がりながら、やたら暴れながらの怒声が聞こえる。
0955マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:58:37.15ID:AZlD4T+W
 ディーネがオレの傍で立ち止り、オレは何かと思いディーネを見上げる。
0956マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:58:53.77ID:AZlD4T+W
 ディーネは不敵に笑い、腹いせに荒い鼻息を吐くとオレは吹っ飛んだ。
0958マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 02:59:26.78ID:AZlD4T+W
「なにするんだよ! お前、ドラゴンになると態度がでけぇんだよ!」
0959マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 02:59:43.39ID:AZlD4T+W
 オレは吹っ飛びながら腕を下げて叫び、ディーネに拳を振り上げる。
0961マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:00:16.72ID:AZlD4T+W
 尻を擦りながら、ディーネを指さす。尻に小石が食い込んで痛い。
0962マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:00:33.24ID:AZlD4T+W
「ディーネ! 覚えてろよ! こいつで仕返ししてやるからな!」
0963マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:00:49.75ID:AZlD4T+W
 オレは胸のオーヴを握り締め、片方の手でオーヴを指さした。
0964マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:01:06.34ID:AZlD4T+W
 ディーネは二本足で立って腕を組み、鋭い牙を覗かせて不敵に笑いオレを見下ろしている。
0965マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:01:23.05ID:AZlD4T+W
「オーヴの力もロクに使いこなせないひよっこがかい? 笑わせるんじゃないよ。……ここにいると危険だ。さっさと逃げるよ」
0966マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:01:39.97ID:AZlD4T+W
 ディーネはオレを皮肉った後に、何かを感じ取ったのか急に空を仰ぎ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
0967マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:01:56.61ID:AZlD4T+W
 両手を地面に静かに突いて、首を左右に振りながら四本足でオレに近づく。
0968マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:02:13.19ID:AZlD4T+W
 オレは胡坐をかいて不思議に思って腕を組んで首を傾げる。
0969マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:02:29.91ID:AZlD4T+W
 ディーネはオレの傍まで来ると背中に乗れと言わんばかりに、ディーネは両翼を羽ばたかせて顎をしゃくる。
0971マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:03:03.12ID:AZlD4T+W
 オレが顔を上げるとディーネは不敵に笑い、またディーネは鼻息でオレを吹き飛ばす。
0974マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:03:52.88ID:AZlD4T+W
 オレは尻が痛くて尻を擦りながらディーネを指さす。指さす手に力を入れて、手が震える。
0976マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:04:26.06ID:AZlD4T+W
 オレをオーヴの主と認めたわけじゃないから苛立ってるのか?
0977マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:04:42.58ID:AZlD4T+W
「てめぇ! 絶対わざとだろ! オレを引っかけやがったな!」
0978マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:04:59.12ID:AZlD4T+W
 尻を擦りながら顔を上げると、切り株ベットや木の枕、木のテーブルが消えていた
0980マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:05:32.28ID:AZlD4T+W
 オレがディーネに顔を戻すと、ディーネは瞼を閉じて二本足で立ち上がり肩を竦める。
0981マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:05:49.06ID:AZlD4T+W
「引っかけたつもりはないんだけどねぇ。ただ、お前をオーヴの主と認めたくないだけさ。状況は不味くなってるのは確かだよ」
0982マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:06:05.73ID:AZlD4T+W
 ディーネは地面の匂いを鼻で嗅いだり、しきりに頭を上げて左右に首を振る。
0983マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:06:22.22ID:AZlD4T+W
 オレは尻を擦りながら、怒りでディーネに拳を振り上げる。
0984マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:06:38.84ID:AZlD4T+W
「おい、ディーネ! 少しくらい休憩させろ! さっき食ったばっかだぞ!? 戻しちまうだろ!」
0985マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:06:55.40ID:AZlD4T+W
 オレは舌打ちして、おもむろに立ち上がりズボンの汚れを両手で払い落とす。
0986マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:07:12.07ID:AZlD4T+W
 急な運動でげっぷが出そうになり、オレは慌てて口許を押さえてお腹を優しく擦る。
0987マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:07:28.59ID:AZlD4T+W
 その時、甲高い鳥の様な泣き声が聞こえてオレは空を仰ぐ。
0988マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:07:45.11ID:AZlD4T+W
「なんでこんな目に遭わないといけないのよぉぉぉぉぉ! マジ最悪なんだけどぉぉぉぉぉ!」
0989マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:08:01.73ID:AZlD4T+W
 小さい竜の背中に乗った少女の叫び声がオレの頭上を通り過ぎる。
0992マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:08:51.30ID:AZlD4T+W
 オレは不思議に思って顔を上げたまま額に手を当て、少女の声がした方に目を凝らす。
0993マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:09:07.90ID:AZlD4T+W
 二匹のメタリックの翼竜が甲高く鳴きながら、紅い眼を鋭く光らせて少女の後を追っている。
0994マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:09:24.58ID:AZlD4T+W
 ハンターが背中に装備したマシンガンやレーザーキャノンを少女に撃ちながら。
0995マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:09:41.23ID:AZlD4T+W
 少女はハンターに振り向き、少女の掌から炎の玉が放たれ、少女は魔法攻撃でハンターに抵抗している。
0996マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:09:57.98ID:AZlD4T+W
 オレはハンターが飛び去った方を仰ぎ、舌打ちしてディーネの元に駆け寄る。
0998マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:10:14.54ID:AZlD4T+W
「なにしてんだ! 彼女を追いかけるぞ! どうにかしてハンターを味方につけるしかねぇだろ」
0999マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/17(木) 03:10:31.16ID:AZlD4T+W
 ディーネが二本足で立って、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振りながらオレに近づく。
1000マンセー名無しさん
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2020/09/17(木) 03:10:48.06ID:AZlD4T+W
「そりゃ頼もしいね。どうやってハンターを味方につけるか知らないけど、楽しみにしてるよ。まったく、いつから禁断の森は観光スポットになっちまったんだい?」
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