0001Mr.名無しさん
2018/03/12(月) 20:28:59.01その東の彼方にひっそりと光る星
これがウッさん星
ウッさん星は左の目で十万年、右の目で十とニ万年
ずっと僕たちのことを見てきた
たまに目がかすむと、ほうき星のしっぽで目を拭いて
そしてまた僕たちの暮らしを見つめた
ウッさん星はいつも僕たちのことを見ていた
その目は僕たちの笑顔を見てきた
その目は僕たちの輝きを見てきた
その目は僕たちの苦労を見てきた
その目は僕たちの悲しみを見てきた
最後に僕たちの涙を拾った
そして僕たちの幸せを祈ってウッさん星は僕たちの海へ落ちた
ウッさん星の落ちた海は涙で真っ青になった
その青があまりに美しいので人々はしばらく争うのをやめた
争うのをやめたらウッさんのことを思い出した
「ウッさん?」
「ウッさんはどこにいるの?」
(…僕はここにいるお!)
ウッさん星は勢いよく空に舞い上がった
ウッさん星は今日も東の空で僕たちのことを見つめている